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日本糖尿病協会・EXPERT社員シンポ MRが抱く「情報提供の障壁」は医療者との面会、販売情報提供GL

公開日時 2023/07/24 04:52
第10回日本糖尿病協会年次学術集会が7月22日、京都市で開催され、製薬企業の「MR活動」をテーマとするシンポジウムを開催した。この日公開したアンケート調査からMRが抱く「情報提供の障壁」として、①医療者との面会、②販売情報提供活動GL-を強く意識している実態が浮かび上がった。販売情報提供活動GLをめぐっては、登壇した医師からスライドレビューや情報の提供範囲などで苦言が呈される場面があった。これに製薬協コード・コンプライアンス推進委員会の羽田野誠氏(エーザイ)は、「環境も変化している。医療従事者がどんな情報を求めているのか。どんな情報が適正使用に結びつくか。見直しの余地はある」と応じ、GLの運用を含めた新たなQ&Aの発出について厚労省と意見交換していることを明らかにした。

このシンポジウムは、日本糖尿病協会が2020年度に設けた「糖尿病関連企業EXPERT社員認定制度」のEXPERT社員が企画したもの。これまでの認定者は約3200人。この日は「医療現場が求める情報と企業が発信できる情報とは?」と、「企業担当者不要論を語りつくす」の2つのテーマについて糖尿病に関わる様々な立場の医療従事者と製薬企業の担当者を交えて議論を行った。

◎他社製品との比較 「行政指導の経験の有無などにより、企業対応に差がある」

製薬協コード・コンプライアンス推進委員会の羽田野氏は、販売情報提供活動GLをめぐり「情報提供を求められた場合の対応(リアクティブな対応)の考え方」を披露した。羽田野氏は、「昨今、他社製品との比較情報の提供や未承認薬・適応外薬の情報という話がいろいろなところで聞かれる」と指摘。他社製品との比較情報については、GLの適応との前提に立ったうえで、科学的根拠に基づき正確、公平かつ客観的な情報提供に努め、さらに他社を中傷誹謗することなく「細心の注意が払われている」と強調した。ただ一方で、販売情報提供監視事業の疑義報告事例などで当該企業が行政指導を受けることもあるとし、「保有する製品(領域)の違い、行政指導の経験の有無などにより、企業対応に差がある」と問題視した。

◎未承認・適応外の情報 “医療者の求め”への回答「提供まで時間要する」との課題感

一方、未承認薬・適応外薬の情報提供については、「(医療者から)求められた情報に対し、提供してはならないというルールはないと理解している」と強調。「しかし、その提供の仕方は通常の販売情報提供活動と切り分けて対応すると規定されており、どうしても(医療者から情報を)求められてから提供するまで時間を要してしまうことがある」と指摘。医療者に理解を求めながらも、「医療者の求める情報」に企業がどう対応するかに課題感を表明した。

◎スライドレビューめぐり議論 企業担当者は事前に十分打合せした上で臨んでほしい

販売情報提供活動GLをめぐるディスカッションでは、司会を務めた岐阜大学大学院医学系研究科内科学講座糖尿病・内分泌代謝内科学分野/膠原病・免疫内科学分野教授の矢部大介氏が、製薬企業主催の講演会で演者に求められるスライドレビューを問題視。「やれ日本の用量と違うとか、やれ他社の製品のデータがはいっているとか。それを塗りつぶしてくれと言われることまである。これは研究者としてアウトだ」と指摘。製薬協の羽田野氏は、「製薬協としては、先生方に遠慮頂きたい2つの項目について通知している。1つは適応外使用の推奨はしないということ。もう一つは他社製品の中傷誹謗をしないということ」と説明。「これを行わないように演者の先生方と(企業担当者は)事前に十分に打合せをした上で臨んでほしいとお願いしているところ」と理解を求めた。

◎販売情報提供GLで羽田野氏 「時代に即した考え方を作っていきたい」

矢部氏はまた、「海外にはWebで各社と公平に製品に関してディスカッションするチャネルがある。日本はガラパゴスみたいに30年前のルールをいまも引きずっているのは納得できない」と述べ、製薬協の見解を求めた。これに対し羽田野氏は、「製薬協としても厚労省と、販売情報提供活動GLのQ&Aを追加で出していこうという動きを取っている。そういった活動を通じて時代に即した考え方を作っていきたい」と述べ、医療者に理解を求めた。

◎コロナ禍以降のMR活動 医療者「そろそろ戻したい」 企業「信頼を高めることが大事」

ディスカッションでは「MRとの面談」について医療者側から発言があった。東京医科大学茨城医療センター薬剤部長の松本晃一氏は、「コロナ禍以降はアポイント制で予約を取ってから来院してもらっている」と説明。コロナが落ち着いてきたので前の状態に戻してもよいのではとの意見があることに対して松本氏は、「医師に確認したところ、あまり困っていないからこのままで良いよというような声もあった」と応じた。司会を務めた岐阜大学大学院医学系研究科内科学講座糖尿病・内分泌代謝内科学分野/膠原病・免疫内科学分野教授の矢部大介氏は、「そろそろ戻したいと思う反面、新人MRなど、周辺の情報を持っていない方もいる。最近はEXPERT社員のバッジをつけて来院頂いているので、そういう方に声を掛けるようになるかなと思っている」と述べた。

企業側から登壇した日本ベーリンガーインゲルハイムの足立佳隆氏は、「しっかり選んでもらえるように信頼を高めることがなにより大切だ。その上で、しっかりと医療従事者のニーズを把握していること、訪問の目的をしっかり持っていること。最近はデジタルを活用してあらゆる手で面会できるすべを構築したMRは医師に行きつく可能性が高いのではないか」と述べた。

◎清野会長 「もう少し現場の意見を聞いてGLを作って欲しい」

日本糖尿病協会年次学術集会会長の清野裕氏(関西電力病院)がフロアから発言。MRによる面談目的について、「誰のためにあるのかを考えて欲しい」と要望した。また販売情報提供活動GLについては、「医療の現場の良く分かっているヒトを入れないとスライドレビューのようなことになる」と指摘。「ヒト(医師)によっては初めから終わりまでメーカーのスライドを使って、まるで広告塔のように講演している。これが製薬協の望まれる姿なのか。もう少し現場の意見を聞いてGLを作って欲しいと思う」と述べた。

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