ノボ ノルディスクファーマ 出荷停止中の「オゼンピック皮下注SD」を経過措置品目に 25年春に薬価削除
公開日時 2023/11/17 04:52
ノボ ノルディスクファーマは11月16日、出荷停止中の「オゼンピック皮下注SD」について24年4月より経過措置品目に移行すると公表した。経過措置期間は25年3月末まで。同年4月以降に薬価基準より削除し、販売を終了する。同剤をめぐっては21年12月17日に欧州の提携製造会社がFDA査察でGMP上の指摘を受け、オゼンピック皮下注SDの製造と輸出を中止。その後も生産ラインの再開のメドが立たなかった。同社は今後、22年5月から販売を開始した自社製造品のオゼンピック皮下注2mgの供給に集中する方針だ。
経過措置の対象製品は、オゼンピック皮下注0.25mgSD、同0.5mgSD、同1.0mgSD。同剤は2020年6月に単回使用ペン型注入器として日本のみで販売を開始したが、海外の提携製造会社がFDA査察でGMP上の指摘を受けたことにより、22年2月から出荷調整、その後、出荷停止の状況が続いていた。
同社によると、「オゼンピック皮下注SDの再供給の環境整備に努めてきたが、昨今のGLP-1受容体作動薬の世界的需要の高まりもあり、他国にて発売していないオゼンピック皮下注SDを日本のためだけに生産ラインを再開するのが難しい状況となった」と説明している。
一方、今後の対応については、22年5月に発売したオゼンピック皮下注2mgに注力する。同社によると、「SDの納入先数、使用患者数も大きく上回り、現在の需要の高まりに対応すべく皮下注2mgの供給に集中する」とした。なお、すべて自社製造するオゼンピック皮下注2mgは、週1回投与の2型糖尿病治療薬。用量調節が可能な複数回投与ペン型注入器を用いた製剤で、導入時及び維持期ともに2mg製剤1本で対応できる。