アンジェス 早老症治療剤「ゾキンヴィ」 国内販売契約先の米アイガー社が米国倒産法第11条を適用申請
公開日時 2024/04/15 04:51
アンジェスは4月12日、早老症治療剤「ゾキンヴィ」の国内独占販売契約を締結した米Eiger BioPharmaceuticals, Inc.(アイガー社)が米国倒産法第11条の適用を申請したと発表した。契約締結は22年5月。同剤は24年1月18日に厚労省から製造販売承認を取得しており、アイガー社から製品を購入し、販売する予定になっている。同社は、「現時点では詳細が未定のため、新たな情報が入り次第、逐次お知らせする予定」としている。
アイガー社は米国カリフォルニア州に本社を置くバイオ医薬品企業。設立は2008年11月。同社が有する5つの希少疾病プログラムは、HDV(肝炎δウイルス)に対するロナファルニブとペグインターフェロンラムダ、早老症に対するゾキンヴィ、先天性高インスリン症と肥満後の低血糖に対するアベキシチドなど、いずれもFDAのブレークスルー・セラピーの指定を受けている。
アンジェスとアイガー社は22年5月に早老症治療剤「ゾキンヴィ」(ロナファルニブ)の国内独占販売契約を締結。ゾキンヴィは、ファースト・イン・クラスの疾患修飾剤で、小児及び若年成人の早老症患者において統計学的に有意な生存期間の延長を示した。HGPS (ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群)の患者において、ゾキンヴィは死亡率を60%減少させ(p=0.0064)、平均生存期間を2.5 年延長させた。
今回、アイガー社が米国倒産法第11条の適用を申請したことにアンジェスは、「アイガー社の発表によりゾキンヴィに関してはSentynl Therapeutics, Inc.に売却することが検討されている」と明かすに止め、今後の動向を注視する姿勢を示した。また、「アイガー社との独占販売契約に伴う契約一時金、マイルストーンの支払いは完了しており、現在同社に対する債権並びに債務はない」と説明。「現時点において、当該事象が連結業績予想に与える影響は不明」としながらも、連結業績への影響が大きくなると見込まれる場合には速やかに開示するとした。