アンジェス Vasomune社とTie2受容体アゴニスト(AV-001)で医師主導治験 細胞毒性脳浮腫を軽減
公開日時 2025/09/05 04:48
アンジェスは9月4日、カナダのVasomune Therapeutics, Inc.と共同開発している Tie2 受容体アゴニスト(Pegevongitide AV-001)を使用した医師主導臨床試験を開始すると発表した。血液透析によって引き起こされる細胞毒性脳浮腫をAV-001が軽減し、脳の白質の機能を維持できるか医師主導試験で評価する。なお、同研究はカナダ心臓・脳卒中財団の助成を受けて実施する。
末期腎不全患者の最大90%が利用する血液透析では、脳の構造的・機能的変化と関連して、混乱、せん妄、さらには長期的な認知機能低下を引き起こすという。特に55歳以上の患者では70%が中等度から重度の認知障害を引き起こし、課題となっていた。
AV-001は、Tie2/Angiopoietin-1シグナル伝達経路を標的とすることで血管を安定化させ、血管漏出や炎症を抑制する。Vasomune 社のDr. Harold Kim研究担当副社長は、「今回のカナダ保健省からの試験開始の許可により、脳血管の機能維持を標的とした新たな適応の可能性を得ることになる」と期待感を込めた。