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東和薬品・吉田社長 後発品の企業指標「影響は一部」 薬価の乖離状況「安定供給で責任取れる医薬品」

公開日時 2024/05/15 04:50
東和薬品の吉田逸郎代表取締役社長は5月14日の決算説明会で、2024年度薬価制度改革で試行導入が決まった後発品の企業指標について、「まだ影響は一部だと思う」と述べながらも、「数量シェアが80%以上となる中で(企業が)安定供給体制の責任を果たすためのもの」との認識を示した。その上で、評価指標に薬価の乖離状況が入ることについて、「安定供給で責任の取れる医薬品という位置づけ」と指摘。一方、企業指標で求める供給実績の可視化も、「(外から)見られるというより(企業が)公開していくことが求められる」と応じ、企業要件の整備を含めて注視する姿勢を示した。

吉田社長は政府の後発品使用促進策について、「その目的は達したと思っている。これからの役割の一番のポイントは何かというと安定供給体制の構築が非常に重要だということ」と指摘した。その上で、24年度薬価制度改革で試行導入する後発品の企業指標に薬価の乖離状況が盛り込まれたことに触れ、「品目ごとに薬価調査をして、平均乖離率以下の品目に関しては薬価を今までと違うところのポジションにする」と指摘。逆に、乖離率の範囲内に入る医薬品は、「安定供給で責任を取れる医薬品だっていう位置づけになる」と述べ、「まだ影響は一部だと思うが、これから、そういうことが整備される」との認識を示した。

仕切価戦略について吉田社長は、「販社、卸、直販などの販路に限らず製品の価値に対する仕切価というものは基本的に変わってない。ただ、完全に一つの価格かというとそうではない。相手もあるし、取引のスケールによっても違う。いろんな条件があるので、そういう中で価値に見合った適正価格での販売を続けているというようなことだ」と強調した。

◎供給実績の可視化 「見られるというより(企業が)公開していく」

一方で、「各社とも製品ごとの製造工場、生産量、何かあった時のバックアップ体制など生産余力まで多分見られることになる」と述べながら、「見られるというより(企業が)公開して、そういう中で各社が安定供給体制を進めていかないといけないということになってくる」と指摘。「今回はその一部がスタートしたということかなと考えております」と述べた。

◎24年3月期決算 売上高2279億円、営業利益176億円の増収増益

同社の2024年3月期決算は、売上高2279億円(前年同期比17.4%増)、営業利益176億円(同197.4%増)の増収増益だった。国内セグメントのうち、東和薬品、ジェイドルフ製薬、大地化成、グリーンカプス製薬をみると、売上高は1537億2000万円(同20.7%増)、セグメント利益は204億円(同115.4%増)となった。生産数量実績(東和薬品単体、錠剤・カプセルのみ)は約136億錠で対前期約5.7%増加した。

2025年3月期通期業績計画は売上高2615億円(同14.7%増)、営業利益180億円(同 2.0%増)。生産数量(東和薬品単体、錠剤・カプセルのみ)は約151億錠で対前期約11.6%増加を見込む。
 
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