乳がんBRCA1/2遺伝子検査の実施状況
検査が伸び悩む背景に制度設計の課題
公開日時 2024/06/01 00:00
株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン吉田昌史、渡辺幸子がん医療の主流になりつつある遺伝子治療。今回は2020年4月から保険適応された乳がん症例におけるBRCA1/2遺伝子検査の実施率について、医療ビッグデータを用いて分析した。血縁者にも大きく関係する検査のため、対象者には100%の実施率が望まれるが、思いの外実施率は低かった。その背景には国の制度設計における課題がありそうだ。がんの発症には様々な要因が関与していると言われており、「環境要因(喫煙や大量の飲酒、不適切な食事や運動不足など)」や「時間(年齢)」、「細菌・ウイルスなどの感染」、「偶然」、「遺伝要因」の関与が明らかになっている。中でも「遺伝要因」は、生まれながらにしてがんが発症しやすい遺伝子を持っているということであり、...