Edgewater 患者の免疫と遺伝子データを大規模収集 疾病リスク予測、診断支援システムを理研と共同開発
公開日時 2024/09/10 04:50
Edgewater(福澤雅彦代表取締役)は9月9日、各疾患の患者の免疫と遺伝子のデータを大規模に収集する「観察研究」と、AI解析技術で「疾病リスク予測システム」、「診断支援システム」を開発する共同研究で理化学研究所と基本合意契約を締結したと発表した。共同研究は約3~5年を予定しており、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の第7回「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」(2025年1月申込予定)を通じて最大5億円を資金調達する方針だ。
Edgewaterは、免疫の可能性を追求し、最新鋭の「AI×ビッグデータ解析技術」を駆使して、健康・医療に貢献する様々なリアルワールドデータの提供をミッションに掲げている。今回の共同研究は、理化学研究所・生命医科学研究センター自己免疫疾患研究チーム(山本一彦チームリーダー)と実施するもの。実際の薬剤治療における薬剤投与前と投与後の免疫状態を継続的に測定し、同時に遺伝子を測定する「観察研究」を、理化学研究所との共同研究で大規模に行い、ビッグデータをAI解析する事で、「疾病リスク予測」、「診断支援」の各システム開発を目指す。
◎疾患ごと患者に対する遺伝子検査、医薬品の投与前・投与後の免疫状態を継続的に測定
このうち免疫データ・遺伝子データの収集は、生命医科学研究センターとの観察研究として行う。具体的には、疾患ごとに患者に対する遺伝子検査、医薬品の投与前および投与後の免疫状態を継続的に測定。当観察研究を多施設で行ない、データ数を拡大(ビッグデータ化)し、免疫と遺伝子の総合的解析を行う。
また、「疾病リスク予測システム」の開発(生命医科学研究センター&革新知能統合研究センターとの共同研究)は、各免疫細胞の標準値を制定し、AI×ビッグデータ解析による「疾病リスク予測案」作成。この予測システムで表出される案に関する医学的検証を行う。さらに、「診断支援システム」の開発(生命医科学研究センター&革新知能統合研究センターとの共同研究)は、疾病リスク予測DBに、各疾患の治療ガイドラインをAIで読み込ませ、AI×ビッグデータ解析による「診断支援案」を作成。診断支援システムで表出される案に関する医学的検証を行う。
なお、理化学研究所・生命医科学研究センター自己免疫疾患研究チームは、既に免疫が病態に関わる疾患の遺伝子多型の研究を東京大学と行っている。このためEdgewaterが行う「疾病リスク予測」、「診断支援」のシステム構築に、大きな貢献が期待されているという。