共和薬品 「メスチノン錠60㎎」一部変更申請時の不適切な試験データ提出 調査・再発防止策の実施完了
公開日時 2024/11/19 04:49
共和薬品は11月18日、2009年に実施した「メスチノン錠60㎎」の一部変更申請時の不適切な方法による試験データ提出に関する調査・再発防止策の実施を完了したと発表した。この問題は、同製品の一部変更申請に必要な加速安定性試験に関し、当初は規格に適合しない試験結果となったことから、適切な手順に則ることなく規格に適合する結果となるまで再試験を繰り返し、その再試験結果を正式な試験データとして提出していたことが今年4月になって判明したというもの。同社は再発防止策を策定し、コンプライアンス意識や試験結果の管理徹底などを講じた。
同社は問題が発覚した今年4月以降、不適切行為に係る事実関係の調査と、原因究明および再発防止策の策定を目的に、内部監査室が主導して外部弁護士を含む社内調査チームによる調査を実施した。同社が公表した調査結果によると、問題となった不適切行為は、薬事法(当時)改正に伴う承認事項一部変更申請の期限が差し迫っていた状況において、当該製品の製造所変更の検討を主導した当時の部長クラス(責任者)の「当該申請を期限内に行いたい」という強い意向を受けて行ったことが判明した。
◎再発防止策に掲げたコンプライアンス意識の徹底、試験結果の管理の徹底に努める
これを受けて同社は再発防止策を策定。法令遵守意識の再徹底として、不適切行為に関わった部門を含む全社的なコンプライアンス教育訓練の実施や、責任役員による積極的なコンプライアンスに関する情報発信、さらに内部通報窓口及び公益通報制度の再周知などを行った。試験の記録管理・実施管理の徹底については、再試験等の実施、記録に係る手順の見直し、周知徹底及び管理体制の強化、申請データの信頼性を担保するための試験データのレビュー体制の整備、分析機器の監査証跡機能の強化、試験検体出納記録の管理体制の強化などを実施した。
同社は、「患者様とそのご家族および医療関係者の方々をはじめ、関係者の皆様に多⼤なるご⼼配とご迷惑をお掛けし、改めて⼼より深くお詫び申し上げます」と謝罪。「引き続き、法令遵守の徹底及び確かな品質の製品の供給のため、誠⼼誠意努めてまいります」とコメントした。