トーアエイヨー 全支店・営業所を閉鎖 全国11エリアに再編し本社直接管轄に MRは6割減の約50人に
公開日時 2024/11/26 04:50
トーアエイヨーは11月25日、現在の8支店25営業所を全て閉鎖し、全国を11エリアに再編した上で各エリアを本社が直接管轄する営業体制に変更すると発表した。この変更は12月1日付で実施する。11月30日付退職で実施している希望退職者募集を経て、MR数はこれまでの120人体制が12月から6割減の約50人となる。同社は、今回の営業体制の変更によって組織の階層を減らすことで、市場ニーズに即応する戦略を展開するとともに、情報提供活動の質向上を図る考え。MR数が6割減となってもしっかり情報提供できる体制を整備するねらいもある。
同社は、「物理的な事業所での勤務に縛られない営業スタイルを採用し、在宅勤務制度とフレックスタイム制度を併用することで、MR1人当たりの生産性の向上を目指す」ともコメントしている。
◎希望退職者募集に111人応募 従業員数は約310人に
コロナ禍を機に働き方が大きく変化し、医療機関等でも訪問規制の強化や医療従事者の働き方改革が推進されている。このような市場環境を踏まえ、同社では情報活動を訪問面談からWebツールを活用したものへと大きくシフトさせてきた。
一方で、同社の親会社カタクラ(片倉工業)は今年8月、▽毎年薬価改定などの厳しい事業環境、▽開発中の希少疾病用医薬品の臨床試験の状況――などを鑑み、トーアエイヨーで希望退職者100人程度を募集することを発表。退職予定日は11月30日としていた
(記事はこちら)。
トーアエイヨー広報部は11月25日の本誌取材に、希望退職者募集に111人の応募があったと説明した。約420人のトーアエイヨーの従業員数は12月以降、約310人となり、MR数は同約120人が約50人になると説明した。
なお、トーアエイヨーによると、希望退職者募集の背景のひとつに挙がった「開発中の希少疾病用医薬品」は中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)を対象疾患に開発中の「CNT-01」のこと。国内第2b/3相臨床試験の速報値として、主要評価項目であるプラセボ群と比較した主要心血管イベントの発現率が事前に設定した基準を達成できなかったことが明らかになっている。