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25年度薬価改定が山場 ”毎年改定”根拠は4大臣合意 改定のあり方「中医協で検討」 会見で林官房長官

公開日時 2024/12/09 04:52
2025年度薬価改定をめぐる議論が山場を迎える。12月6日は政府関係者が相次いで、25年度薬価改定について発言した。林芳正官房長官はこの日午後の定例記者会見で、毎年薬価改定の実施根拠は2016年末の4大臣合意を踏まえて行われていると説明。25年度改定については、「厚労省の中医協で令和7年度(25年度)の薬価改定のあり方について検討がなされている。(25年度薬価改定については)いわゆる中間年改定のあり方を含め、予断をもってコメントをすることは差し控える」と述べながらも、中医協における関係者間での議論の行方を見守る姿勢を示した。同日は参院予算委員会で石破茂首相、加藤勝信財務相、福岡資麿厚労相がそれぞれ25年度薬価改定について考え方を述べたほか、夕刻には、国民民主党の政務調査会長を務める浜口誠参院議員らが首相官邸を訪れ、「中間年改定廃止」を石破首相に直接談判した。

◎林官房長官 “毎年薬価改定”は「市場実勢価格を適宜に薬価に反映して国民負担を抑制」

林官房長官は会見で、25年度薬価改定について、「毎年薬価改定は、市場実勢価格を適宜に薬価に反映して国民負担を抑制するため、16年の4大臣合意に基づき、21年度から実施していると承知している」と説明。今年6月に閣議決定された骨太方針2024を引き合いに、「“イノベーションの推進、安定供給確保の必要性、物価上昇など取り巻く環境の変化を踏まえ、国民皆保険の持続可能性を考慮しながら、そのあり方について検討する”とされている」と説明。「これを踏まえて、厚労省の中医協で令和7年度の薬価改定のあり方について検討がなされている。いわゆる中間年改定のあり方を含め、予断をもってコメントをすることは差し控える」とコメントした。

◎参院予算委員会 加藤財務相「年末に向け、厚労省をはじめ関係省庁とよく調整したい」

この日の参院予算委員会では、25年度薬価改定をめぐり政府側の見解を質す質疑があった。加藤財務相は、「骨太方針2024でイノベーションの推進、安定供給の確保の必要性、物価上昇など取り巻く環境の変化を踏まえ、国民皆保険の持続可能性を考慮しながら、そのあり方について検討するとされている」と述べ、「様々な視点や要請が盛り込まれており、そういったものに応じられるよう、メリハリのある対応を図るべく、年末に向けて、厚労省をはじめ、関係省庁とよく調整をしていきたいというふうに考えている」と答弁した。

◎福岡厚労相 診療報酬改定がない年の薬価改定は「2016年の4大臣合意」が根拠

福岡厚労相は、「薬価と実勢価に差があるとしたら、適時、適切な時期に国民皆保険の維持のためにも、それを見直していく作業をしなければいけないと思っている」と指摘。毎年改定の法的根拠を指摘する声に対しては、「薬価改定の時期について法律で決められたものではない」と述べながらも、診療報酬改定がない年の薬価改定については、「平成28年(2016年)の4大臣合意“薬価制度の抜本改革に向けた基本方針”に基づき市場実勢価格を適時に薬価に反映して国民負担を抑制するために行っている」と説明した。

◎石破首相 イノベーションの推進と国民皆保険の両立「二律背反にならないように」

25年度薬価改定を中止すべきとの田村まみ氏(国民民主)の質問に対し、石破首相は、「イノベーションの推進と国民皆保険、これをどうやって両立させるかということなので、二律背反にならないよう、どう考えていくかということ」と説明。「皆様方や各方面から(意見を)いただきながら、そこの一致点を目指していきたいと思っている」と述べた。

石破首相はまた、日本の創薬力について、「新しい薬を作る能力が落ちている、海外に依存しているということが国家としてどうなのかという視点からよく意見を承る。そこは問題意識を共有する」と述べた。そのうえで、「行政もイノベーションと国民皆保険の両立を念頭に置きながらここまでやってきた。今の危機感をどう反映をしていくかというマインドは持っておかねばならない」との見解を述べた。

◎国民民主党・浜口政策調査会長らが石破首相に「中間年改定廃止」で直談判

国民民主党の浜口誠政務調査会長らは同日夕刻、首相官邸の石破首相を訪れ、「中間年改定廃止」を求める緊急申し入れを行った。16年末の4大臣合意当時の前提や環境変化を踏まえ、「中間年薬価改定を廃止し、薬価制度の抜本的見直し・中医協改革に着手する」ことを訴えた。浜口政務調査会長は申し入れ後の会見で、創薬力の低下や医薬品業界の離職が増えていることなどを訴えたと説明。石破首相は「深刻さについてはしっかりと受け止めていきたい」と応じたという。同席した福岡厚労相は、「製薬業界の置かれている状況をしっかり受け止め、年末に色々な判断をしていきたい」と述べたという。

浜口政務調査会長は、「我々としては、直接総理に色々要請することができたことは大変意義があると思っている」と強調。「引き続き、製薬業界で働いている方の意見をしっかり受け止めながら、今回の中間年改定の廃止、一旦立ち止まって立て直していくことに注力したい」と述べた。(写真提供:国民民主党)


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