GHIT Fund マラリア・結核の治療薬やワクチン開発に10.6億円を支援
公開日時 2025/07/18 04:50
グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は7月17日、マラリアおよび結核に対するワクチンと治療薬、診断薬の製品開発に合わせて10億6000万円の助成を行うと発表した。2013年から22年までに約6億3000万円を助成したプロジェクトの継続支援で、非臨床試験段階にあるマラリアワクチンの開発プロジェクトに8億円、マラリアや結核治療薬の標的研究プロジェクトに約2億6000万円を助成する。GHIT Fundは助成の目的について、「マラリアがまだまだ命を落とすような深刻な感染症であり、新たなワクチンや治療薬に期待をしているため」と説明している。
GHIT Fundは日本発の官民ファンドで、日本の製薬企業や政府、国連開発計画などが参画し、マラリアや結核といった感染症の治療薬やワクチンなどの開発を推進している。GHIT Fundによるとマラリアは世界で年間約2億6000万人以上が罹患し約60万人が命を落とす感染症にも関わらず、現時点で利用できるワクチンは予防効果や経済的な点で課題があり、より高い効果と持続性を持つワクチンが求められている。GHIT Fundではすでに、少ない投与量で高い効果と長期的な持続効果を発揮するマラリアワクチン開発に向け、22年までに約6億3000万円を助成している。
今回は、非臨床試験段階にあるマラリアワクチンの開発を進める大阪大学微生物病研究所などに8億円を助成するほか、▽愛媛大学とマレーシア・サバ大学のマラリア診断薬の標的研究、▽オークランド大学と東京大学による結核治療薬の標的研究、▽MMV、エルピクセルおよびダンディー大学によるマラリア治療薬の標的研究の3つのプロジェクトに、合わせて約2億6000万円の助成を行う。
GHIT Fundによると今回の助成には新たに4つの企業や大学が参画しており、「39か国、国内外190機関のパートナーとの連携を通じて、グローバルヘルスの課題解決と製品開発の加速に貢献していく」とコメントしている。