メディカルシステムネットワーク 後発医薬品調剤体制加算で算定誤り 過大請求で3600万円を患者に返金
公開日時 2025/09/08 04:50
メディカルシステムネットワークは9月5日、グループが運営する一部保険薬局で後発医薬品調剤体制加算の算定に誤りがあり、調剤報酬を過大に請求していたと発表した。発生期間は2020年4月~2024年10月。同社が製造するレセプトコンピュータの識別番号の取り違えによるもの。全店舗を調査したところ、対象は255店舗、患者数は約62万人。過大請求に伴う返還額は1億9100万円、うち患者への返金額は合計3600万円。同社は再発防止策を講じるとともに、「対象となる患者さま並びに関係各位には多大なご迷惑をお掛けすることになり、深くお詫びいたします」とコメントした。
◎後発品使用率を算出する際、医薬品に付されている識別番号を取り違えたことが原因
同社によると、事案発覚は、グループの店舗職員から後発品使用率の計算対象に含まれる医薬品について、対象外の医薬品が含まれている可能性があるとの問い合わせを受けたことによる。その後の調査で、2024年10月9日に後発品使用率の計算に誤りがあることを確認した。算定誤りは、同社製造のレセコンにおいて、後発医薬品調剤体制加算の届出に必要な後発品使用率を算出する際、医薬品に付されている識別番号を取り違えたことが原因。本来は後発品に含めるべきではない医薬品を誤って計算対象に含めていたことが判明した。
◎返還対象 255店舗、約242万件、患者数は約62万人
グループ全店舗を対象に調査したところ、発生期間は、調剤を行った月を基準にみると、2020年4月~24年10月。返還の対象となる薬局は255店舗、約242万件、患者数は約62万人に及んだ。返還額は約1億9100万円、うち患者への返金合計は約3600万円。約9割の患者の返金額は100円未満となる見込みとしている。返金対象の患者に対し同社は、封書にて順次案内を送付する。案内の発送は年明け以降となる見込み。また、患者からの問い合わせに対応するため、2025年9月5日より専用コールセンターを設置するとした。
一方、再発防止策について同社は、現在の業務プロセスを詳細に検討し、意識面、技術面、内部統制面、体制面の4つの観点で再発防止策を講じ、特に、適切な業務分担の実施、社員教育の徹底、活発な意見交換のできる組織風土の醸成を重要な取り組みとして進めているとした。
なお、24年10月の事案把握後、すみやかに厚生労働省、地方厚生(支)局に報告を行い、対応を協議していたという。事案把握から公表まで時間を要したことについて同社は、「関係先との調整に一定の期間を要したことから、結果として本件に関するご報告が遅くなった」と説明している。