アミカス・キャンベル社長CEO 成人遅発性ポンペ病治療薬・ポムビリティ「市場シェア50%獲得」に意欲
公開日時 2025/09/09 04:51

アミカス・セラピューティクスのブラッドリー L.キャンベル社長兼CEOは9月8日の来日会見で、8月に上市したポンペ病治療薬や市場見通しについて、「将来的に約30億ドル規模に成長する」と強調した。その上でキャンベル社長は、「その市場で50%のシェア獲得に自信を持っている」と意欲を示した。アミカス日本法人のジョン・カールソン代表取締役ジェネラルマネージャーは国内市場の課題として、治療にあたる医師の専門性が多岐にわたる点を挙げ、「全ての医師に確実に情報を届けることが非常に重要になる」と述べた。
グローバル全体の収益は、2025年度第2四半期が1億5500万ドルで、成長率は18%に上った。28年度には10億ドル超との目標を掲げており、キャンベル社長は「我々の目標はファブリー病やポンペ病に留まることなく、引き続き新しい治療薬を開発し続けることにある」と意欲を示した。
アミカスは8月に成人遅発性ポンペ病に対する新規併用療法となるポムビリティ点滴静注用105mg(一般名:シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え))とオプフォルダカプセル65mg(ミグルスタット)を発売した。さらに、遅発性ポンペ病(LOPD)や乳児型ポンペ病(IOPD)の小児患者を対象とした臨床試験が進められており、日本を含めたグローバルで第3相臨床試験が行われている。市場の見通しについてキャンベル社長は、24年の約15億円ドル規模から、29年には22億ドル超に拡大すると説明した上で、「将来的には約30億ドル規模に成長すると考えており、その市場において50%のシェア獲得に自信を持っている」と強調した。
◎日本法人・カールソンGM 多岐にわたる診療科への浸透課題 「長期的には認知度向上が必要」

国内での市場浸透に向けた課題として、アミカス日本法人のジョン・カールソン代表取締役ジェネラルマネージャーは、「日本市場は先行する欧州市場に比べて、医師の専門が非常に細分化されている」と指摘。小児科や呼吸器科のほか、神経筋専門医やライソゾーム病(LSD)専門医など、ポンペ病患者を治療する医師の専門性が多岐にわたっている状況に触れつつ、「初めはすでにポンペ病患者の治療にあたっている医師に浸透を図る。長期的な視点では、ポンペ病の認知度を高める必要があり、治療にあたる全ての医師に確実に情報を届けることが非常に重要になる」と述べた。
さらに疾患の早期診断・治療の面では新生児スクリーニング検査が重要性になると主張。「今後数年で新生児スクリーニングによって診断される患者が増える中で、治療の開始時期を最適に判断するために、医療専門家と緊密に連携していくことが重要だ」との認識を示した。
◎ファブリー病治療薬・ガラフォルド 「最終的には10億ドル規模に成長」
会見では18年5月に上市したファブリー病経口治療薬・ガラフォルド(一般名:ミガーラスタット塩酸塩)の見通しも紹介。キャンベル社長は「診断方法の進歩によりファブリー病市場は29年末までにグローバルで約30億ドル規模まで成長すると予測される」とした上で、ガラフォルドについて「私たちはその3分の1から半分を治療できると考えており、最終的には10億ドル規模の医薬品になると見込んでいる」と自信を見せた。