ビーワン・メディシンズ合同会社・安達社長 既存薬の適応拡大に向け開発・コマーシャル部門とも増員へ
公開日時 2026/01/28 04:52

ビーワン・メディシンズ合同会社の安達進社長は、本誌とのインタビューに応じ、2025年に上市した抗悪性腫瘍薬・ブルキンザと、新規PD-1抗体薬・テビムブラの2剤について、「市場の反応は早く、想像以上に受け入れられている」と強調した。25年は社名変更や東京本社のオフィス開所など、日本事業の足場が整ったと胸を張る安達社長。26年は日本を含む多くのグローバルスタディが計画されていると明かし、開発人員を増員するほか、コマーシャル部門も、「新たな適応症拡大もあるので、固形腫瘍領域を担当するMRを自前で増員したい」と強調した。
◎2030年ごろのパイプライン数「想像できない!」
2030年ごろのパイプライン数はとの質問に、「想像できない! 我々の特徴は開発のスピードが圧倒的に早いこと。24年はFIH(First in Human)試験だけで13あった。この数はグローバルでみてもオンコロジー領域でナンバー1。うち70~80%が自社創薬品だ」と強調する。続けて安達社長は、「一番大切なことは、“Go、No Go”を早く判断すること。これによりFIH試験を行った13の候補品の開発を加速することができる」と、同社の強みに触れた。
◎血液がん領域 BCL-2阻害薬sonrotoclaxは日本含むグローバル第3相臨床試験に
注目の開発パイプラインとして、血液がん領域で期待のBCL-2阻害薬sonrotoclaxをあげた。同剤はBCL-2を選択的に阻害する経口薬。安達社長は、「この領域にはベネトクラクスが先行品としてあるが、我々が開発したBCL-2阻害薬sonrotoclaxは、日本を含むグローバル第3相臨床試験に入っている」と期待感を表明した。
BTK阻害薬が効かなくなった症例に対するBTKディグレーターの開発にも取り組んでいる。安達社長は、「BTKを標的とするキメラ分解活性化化合物(CDAC)であるBGB-16673の開発をグローバルで推し進めている」と説明。「同剤は、野生型および変異型の両方のBTKを分解するように設計されており、従来のBTK阻害剤に耐性を示す患者に対しても効果が期待されている」と述べ、「この2剤の開発品は血液領域でのグローバルでのプレゼンスが高まっており、この領域で地位固めに入っている。いずれもベストインクラスの薬剤だ」と紹介してくれた。
◎抗悪性腫瘍薬・ブルキンザ 長期処方制限の解除で「もうワンステップあがると期待」
一方、2025年3月末に発売を開始した抗悪性腫瘍薬・ブルキンザについて安達社長は、「早期から専門医に受け入れられている。我々として同剤の市場浸透が想定を超えていると高く評価している」と強調。「26年中に長期処方制限が解除されるので、もうワンステップあがるものと期待している」と述べた。25年7月に発売した新規PD-1抗体薬・テビムブラについては、食道がんの適応で3剤目となるものの、「従来のPD-1抗体と比べて改変を加えている」と述べ、「このメカニズムの違いを多くの専門医に理解していただいた」と指摘。両薬剤ともに追加適応に向けた取り組みをすでに行っており、更なる成長に期待を寄せた。
◎ブルキンザの返品制度 「すでに数例あがっている」

このほか、ブルキンザで返品制度を導入したことにも触れた。安達社長は導入の経緯について、「ある先生から、同剤の処方に際し、毒性を最初の1週間で見たいが、もし毒性で処方を中断するとのこりの1週間分の在庫が薬局(医療機関)の負担になるとの指摘を頂いた」と説明。「社内で解決方法を検討し、ちゃんとした理由がある場合については、一度箱の封を切ったものでも返品を受付けることを判断した」と明かした。
その上で、やむを得ない事情で在庫が残った場合は在庫補償を含めて企業が責任を負うとし、「我々も、返品に際しては患者さんの副作用など毒性を情報としてしっかり収集、調査するなどルールに則った運用を行うことを徹底した。もちろんその情報は取引卸とも共有する」と述べた。また、返品制度の運用実績について安達社長は、「すでに数例あがっている。取引卸さんに回収して頂き、我々の方で廃棄している」と述べた。