東和薬品・吉田社長 特許満了医薬品の生産能力増強へ協業拡大に意欲「需要に追いつく供給を」
公開日時 2026/05/15 04:51
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東和薬品の吉田逸郎代表取締役社長は5月14日の決算説明会で、特許満了医薬品の生産能力増強に向けた協業について、「まだ限定出荷もあり、需要に対する供給が追いついていない。生産量をまだ増やしていく必要がある」と意欲をみせた。同社は、特許満了医薬品の安定供給に向けて今年4月、CDMOのアドラゴスファーマ川越、三和化学との協業を相次いで発表した。協業により、200億錠規模の生産能力も視野に入るが、ジェネリックの一年間の必要量が1000億錠規模であることを引き合いに出しながら、「200億錠ではまだ不足だ」と表明。さらなる協業に意欲をみせた。
同社は、175億錠の固形製剤の生産能力を有する。吉田社長は生産能力増強に向けて、自社の生産効率向上などにも取り組む姿勢を示したうえで、効果は「限定的」として、他社に製造を委託する形での協業に踏み切ったことを説明した。
アドラゴスファーマ川越には、29年までに約5億錠規模、33年までに約15億錠規模の製造委託を予定。三和化学には28年度までに約7億錠規模の製造委託を予定する。吉田社長は、「前提は、製造管理、品質管理をしっかりしたところと協業する。当社の“東和品質”という考えを理解してもらったうえで、協業という形で製造に協力してもらう」と話した。協業を表明した2社は「数量プラスαの可能性はかなりあると聞いている。今後協業の中で、数量をどこまで上げられるかというお話をさせていただく」と含みをもたせた。また、「それ以外のところとも、お話をさせていただいている」と明かし、さらなる協業に意欲をみせた。
◎25年度決算 増収増益も売上高・営業利益は計画未達 限定出荷の解除遅れ、自主回収響く
2026年3月期(25年度)の連結業績は、売上高が対前年同期比5.4%増の2737億1000万円、営業利益は231億200万円の増収減益だった。三生医薬ののれんの減損損失(連結決算)約147億円を計上したことが響いた。ただ、売上高、営業利益ともに計画は未達。
柱となる国内のジェネリックビジネス「東和薬品ほか(東和薬品、ジェイドルフ製薬、大地化成、グリーンカプス製薬、九州医薬)」は、売上高が対前年同期比6.0%増の1881億200万円となるなど、増収増益だった。販売数量、単価ともに前期よりも伸びたが、計画には未達となった。市場が安定している製品などで限定出荷解除後の拡売が想定よりも進まなかったことと、近年追補された品目が伸びずに想定よりもセールスミックスの改善が進まなかったことが影響した。
國分俊和取締役は、「限定出荷を大幅に解除したのは25年9月で、解除が遅れたことで、近年追補品の発売戦略が計画通り進まなかった。また、25年8月に、注射用アンプル製品を自主回収(クラスⅡ)したことにより、無菌製剤の販売が落ち込んだ。この2点で、計画に対して、販売単価の改善が進まなかった」と説明した。
なお、東和薬品単体の販売数量実績(錠剤・カプセルのみ)は157.1億錠(対前期2.8%増、通期計画達成率97.7%)、生産数量実績は164.3億錠(対前期14.4%増、通期計画達成率101.0%)だった。
◎中東情勢 欠品や納期遅延などの大きな影響はない見込み 26年度第1四半期の影響「軽微」
中東情勢による事業・業績の影響についても言及した。東和薬品グループでは現時点では、欠品や納期遅延などの大きな影響はない見込み。26年度第1四半期への影響は「軽微」と見通した。今後、具体的な影響があった場合には、四半期決算で開示を行う。
◎三生医薬ののれんの減損損失として約147億円を計上
25年度決算では、三生医薬ののれんの減損損失として約147億円を計上した。國分取締役は、「国内健康食品事業で収益性が低下したこと、ニューアプリケーション事業で競争環境が悪化したこと、東和薬品とのシナジー創出が遅れたことにより、想定を大きく下回る状況となった」と説明した。
東和薬品とのシナジー創出について問われた吉田社長は、「将来的には、東和グループのブランドとして健康食品を進めていきたい。検討はしているが、まだ時間がかかると思っている」と説明。「東和薬品全体で、特許満了医薬品の市場に対して、10年先どうあるべきか、という姿を考えている。医療用医薬品と健康食品、健康産業のシナジー効果はその時に出てくると考えている」と述べた。
【2026年3月期(25年度)連結業績(前年同期比)、通期予想】
売上高 2737億1000万円(5.4%増) 3040億円(11.1%増)
営業利益 231億200万円(0.6%減) 320億円(38.5%増)
親会社帰属純利益 52億5000万円(72.3%減) 215億円(309.5%増)