高血圧治療ガイドラインJSH2014 第一選択薬からβ遮断薬外れ4クラスへ

公開日時 2013/10/28 03:53
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日本高血圧学会は、高血圧治療ガイドライン(GL)の改訂に際し、第一選択薬からβ遮断薬を外し、Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬の4クラスとすることを明らかにした。ただし、β遮断薬は従来通り主要降圧薬の1クラスに位置づけ、心不全や狭心症など心疾患合併高血圧では積極的適応とした。病態や合併症の有無に応じた降圧薬の選択も求められるところだ。GL改訂は2009年以来5年ぶり。年内はさらに議論を深め、14年4月1日に高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)を公開、同時に英語版を公表する予定という。10月24~26日まで大阪国際会議場で開催された第36回日本高血圧学会総会の特別企画「高血圧治療ガイドラインJSH2014概要」では、改訂点をめぐる議論がなされた。
 

◎改訂項目 少なくとも32項目に


改訂項目は、家庭血圧の評価方法、配合薬の第一選択薬としての位置づけなど高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)で懸案とされた項目や、JSH2009本文中の矛盾点に加え、ARB・バルサルタン(製品名:ディオバン)の関連論文や利益相反(COI)など、少なくとも32項目にのぼる見込み。COIについては序章で明記し、製薬企業名を公表するなどして、透明性の高さを担保した。改訂に際しては、“実地医家”が使いやすいことを目指したほか、エビデンスだけでなくコンセンサス(合意)を加えたことなどを作成方針としたという。


◎心血管病抑制効果“種類よりも降圧度によって規定”

降圧療法については、「降圧薬の心血管病抑止効果の大部分は、その種類よりも降圧度によって規定される」(推奨グレードA)とし、降圧の重要性を強調した。その上で、第一選択薬については、「積極的適応がない場合の高血圧に対して、最初に投与すべき降圧薬はCa拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬の中から選択する」(推奨グレードA)と明記した。

第一選択薬は、“積極的適応がない場合の高血圧に使用すべきもの”と定義。今回の改訂で第一選択薬から除外されるβ遮断薬については、「一般的な高血圧に対する第一選択薬からは除外するというコンセンサスに達した」と説明した。

β遮断薬については、ASCOT-BPLAやLIFEなどの大規模臨床試験やメタ解析の結果に加え、これらエビデンスを裏付ける糖代謝障害作用、臓器障害抑制や中心血圧低下効果の減弱なども分かってきた。さらに、日本人本態性高血圧患者を対象としたCOPE試験の結果などから、総合的に判断し、「降圧薬としては、他剤に劣るとの国内外のエビデンスから、主として心疾患合併高血圧に対して使用されるべきである」とした。ただし、「豊富なエビデンスを有する主要な降圧薬であることには変わりなく、特に心疾患合併患者には、しばしば積極的な適応となる」ことも明記する。

また、配合剤については、第一選択薬に位置づけることが見送られた。この理由として、配合剤は、“第一選択薬としないこと”と添付文書にも記載されており、保険診療上の課題があることに加え、単剤2剤併用の方が容易に用量調整できることなどを挙げた。

病態や合併症に応じた積極適応では、心房細動(予防)について、「一次的な適応はない」として削除された。また、CKDについては、蛋白尿の有無に分けて記載され、蛋白尿がない場合はARB/ACE阻害薬に加え、Ca拮抗薬や利尿薬も積極的適応とされた。

なお、本誌取材によると、論文が撤回されたARB・ディオバンの位置づけについては、理事会、評議員会で継続して審議されるという。

◎CKD 蛋白尿陽性患者のみ降圧目標明記

降圧目標についても、カテゴリーが変更された。CKDは蛋白尿陽性患者についてのみ明記。JSH2009では、「糖尿病、CKD、心筋梗塞後患者」とされたカテゴリーも、「糖尿病」と「CKD患者(蛋白尿陽性)」の2つに分類。糖尿病患者では、診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満とした。CKD陽性患者では、診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満(目安)とされた。また、冠動脈疾患患者については、脳血管障害と同様に診察室血圧140/90mmHg未満、家庭血圧135/85mmHg未満(目安)とされた。

高齢者も前期高齢者、後期高齢者に分け、リスクを分類。前期高齢者は、若年者・中年者と同じカテゴリーに分類。診察室血圧140/90mmHg未満、家庭血圧135/85mmHg未満とした。後期高齢者は診察室血圧150/90mmHg未満(忍容性があれば140/90mmHg未満)、家庭血圧145/85mmHg未満(忍容性があれば135/85mmHg未満)とした。

また、これまで糖尿病やCKD合併例などでリスクが明記されていた正常高値血圧(130~139/85~89mmHg)についても、リスク層別化の表から削除。リスク層別化や初診時高血圧管理計画は、正常高値を含まない“高血圧(140/90mmHg以上)”に特化する格好となった。


血圧値については、家庭血圧の重要性を強調。「診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合、家庭血圧による診断を優先する」とした。議論となっていた測定回数も、「原則2回測定し、その平均値」と明記。1回のみの測定の場合は、補助的に血圧値と用いるとした。
 

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