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薬食審・第ニ部会 新薬など6成分を審議 承認了承 ファイザーの新規CML治療薬も

公開日時 2014/09/08 03:52

厚労省の薬食審医薬品第ニ部会は9月5日、新薬など6成分の承認の可否を審議し、いずれも承認を了承した。この中にはファイザーが開発した慢性骨髄性白血病(CML)の新規分子標的薬ボシュリフ(成分名:ボスチニブ水和物)がある。既存薬のグリベック(イマチニブ)などが奏功しない場合の治療選択肢となることが想定される。9~10月にも正式に承認され、11~12月には薬価収載される見込み。

 

【審議品目】(カッコ内は成分名と会社名)

 

▽ボシュリフ錠100mg(ボスチニブ水和物、ファイザー):「前治療薬に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。欧米を含む35カ国で承認済み。

 

慢性骨髄性白血病(CML)細胞の増殖などに関与するチロシンキナーゼを阻害する。CMLのキナーゼ阻害薬としてはノバルティスのグリベック(一般名:イマチニブ)やタシグナ(ニロチニブ)、BMSのスプリセル(ダサチニブ)があり、ボシュリフの治験では、イマチニブ抵抗性または不耐容の場合の2次治療、およびイマニチブ治療後のダサチニブまたはニロチニブ抵抗性または不耐容の場合の3次治療で有効性が認められている。CMLの年間発症頻度は10万人あたり1~2人とされる。

 

▽ザノサー点滴静注用1g(ストレプトゾシン、ノーベルファーマ):「膵・消化管神経内分泌腫瘍」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。この適応で米国を含む5カ国で承認済み。

 

細菌から分離されたニトロソウレア系抗悪性腫瘍剤。DNAをアルキル化することで腫瘍増殖を抑制する。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(未承認薬検討会議)での検討を踏まえ、開発要請されていた。類薬にはノバルティスのサンドスタチン(オクトレオチド酢酸塩徐放性製剤)やアフィニトール(エベロリムス)、ファイザーのスーテント(スニチニブリンゴ酸塩カプセル)がある。国内推定患者数は7250人程度。

 

▽バニヘップカプセル150mg(バニプレビル、MSD):「セログループ1のC型慢性肝炎における血中HCV RNA量が高値の未治療患者、インターフェロンを含む治療法で無効または再燃となった患者のウイルス血症すの改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。海外では開発されていない。

 

C型肝炎ウイルスが増える際に必要な酵素(プロテアーゼ)を阻害する。ペグインターフェロンアルファ-2b(遺伝子組換え)、リバビリンと併用して用いる。類薬にはテラビック(テラプレビル、田辺三菱)やソブリアード(シメプレビル、ヤンセン)がある。C型肝炎の推定感染患者数は150~200万人。この7割程度が慢性肝炎に移行するとされる。

 

▽ブイフェンド錠50mg、同錠200mg、同200mg静注用、同ドライシロップ2800mg(ボリコナゾール、ファイザー):「重症または難治性真菌感染症」を効能・効果とする新用量・剤型追加にかかわる医薬品。再審査期間4年。

 

小児での用法・用量が加わり、ドライシロップの剤型も追加される。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(未承認薬検討会議)での検討を踏まえ、開発要請されていた。深在性真菌感染症の患者数は明確ではないが、注射剤による治療が必要な患者数が年間20万人と想定されている。海外では欧米を含む103の国や地域で発売中だが、このうち小児の適応で79以上、ドライシロップ剤も49以上の国・地域で承認済み。

 

▽マブキャンパス点滴静注30mg(アレムツズマブ〈遺伝子組換え〉、サノフィ):「再発または難治性の慢性リンパ性白血病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。

 

リンパ球やその他の免疫細胞の表面に結合して腫瘍増殖を抑制する抗体製剤。国内の推定患者数は約2000人。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(未承認薬検討会議)で開発要請されていた。海外では、多発性硬化症薬として開発が進み、ドイツ、北欧、カナダで発売となっているほか、14年下半期にその他の国でも発売が予定されている。米国では申請中。慢性リンパ性白血病の適応では米国を含む3カ国で承認されているが、正式な販売は行われておらず、無償提供されている。

 

▽ヴァクセムヒブ水性懸濁注(沈降ヘモフィルスb型ワクチン〈無毒性変異ジフテリア毒素結合体〉、武田薬品):「インフルエンザ菌b型による感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。95年にイタリアで承認され、これまでに11か国で承認されている。

 

インフルエンザ菌は小児において、髄膜炎や菌血症などの侵襲性感染症を引き起こし、中でも髄膜炎の約9割が血清型b型のインフルエンザ菌に起因するとされる。同剤はb型のインフルエンザ菌由来オリゴ糖に無毒性変異ジフテリア毒素を結合した結合体に、免疫補助剤のリン酸アルミニウムを添加したワクチン。類薬に、サノフィのアクトヒブがある。

 

【報告品目】

報告品目は、医薬品医療機器総合機構の審査の段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断された製品。

 

▽テラビック錠250mg(テラプレビル、田辺三菱製薬):「セログループ2のC型慢性肝炎におけるインターフェロン製剤の単独療法、またはリバビリンとの併用療法で無効または再燃となった患者のウイルス血症の改善」の効能・効果を追加する新効能医薬品。再審査期間残余(平成31年9月25日まで)。この適応では、海外での開発は行われていない。従来の適応であったセログループ1に追加された。国内ではC型慢性肝炎の7~8割がセログループ1、2~3割がセログループ2に該当するとされている。  



なお、部会では厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」が公知申請は妥当と判断した未承認適応の追加について、公知申請することを了承した(カッコ内は成分名、会社名)。

▽エルプラット点滴静注液50mg・同100mg、同200mg(オキサリプラチン、ヤクルト)
予定適応「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」

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