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抗てんかん薬ラミクタール 4カ月で皮膚障害による死亡4例 ブルーレターで用法・用量遵守指示

公開日時 2015/02/05 03:52

厚労省は2月4日、てんかんや双極性障害の治療に用いるグラクソ・スミスクライン(GSK)のラミクタール錠(一般名:ラモトリギン)の服用後に現れた重篤な皮膚障害で、2014年9月~12月までの約4カ月間に4例死亡したことを受け、添付文書の「警告欄」を改訂するとともに、「安全性速報」(ブルーレター)により速やかに注意喚起するようGSKに指示したと発表した。死亡した4例(男性2例=80代と50代、女性2例=40代と60代)では、いずれも定められた用法・用量を超えて投与されていたことから、添付文書の警告欄に用法・用量の遵守を明記し、医療現場での徹底を図る内容に改めることにした。

同剤は2008年12月の発売から2014年12月末までに、推定使用患者数は約37万6000人。この間に薬疹として報告されたのは「約3000例」(医薬食品局安全対策課)。全身的なやけどのような水ぶくれ、皮膚のはがれなどがみられる重篤な皮膚障害による死亡は16例に上る。承認当初から用法・用量を超えると重篤な皮膚障害が現れやすいとして、添付文書で注意喚起され、GSKからも複数回にわたり適正使用情報が出ていた。同課によると一時落着きを見せていたが、昨年9月以降の死亡報告が相次いだことから、添付文書の改訂とともに、迅速な安全対策を実施するためブルーレターの発出が必要と判断した。

添付文書の「警告」欄には、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)に加え、新たに「薬剤性過敏症候群」を追記。全身症状を伴い、死亡に至ったケースがあり、「用法・用量を超えて本剤を投与した場合皮膚障害の発現率が高い」として、「用法・用量を遵守すること」と明記することにした。

具体的には▽投与開始時は定められた用法・用量を超えない▽バルプロ酸ナトリウム併用時の投与開始2週間までは隔日投与にする(成人のみ)▽維持用量までの漸増時も定められた用法・用量を超えない▽増量時期を早めない--こととした。ほか、皮膚科専門医との連携による初期対応、外来治療が多いことを踏まえて患者・家族に対する初期症状発現時の受診指導も盛り込んだ。

同省は患者・家族向けの注意文書の作成も指示した。初期症状として発疹、発熱(38 度以上)、唇や口内のただれ、目の充血、のどの痛み、体がだるい、リンパ節(首、わきの下、股の付け根など)の腫れなど--を挙げ、発症した場合はすぐに医師・薬剤師に相談するよう呼びかけることにした。

安全対策課 複雑な用法・用量 医療従事者が協力して遵守を

用法・用量が守られない背景について安全対策課は、てんかん、双極性障害の適応があり、それぞれ単剤療法、併用療法によって用量が異なる複雑さを挙げる。遵守するためには、医師だけでなく薬剤師など複数の医療従事者が協力して取り組む必要性を指摘しており、今回の添付文書の改訂は医療従事者の注意意識を上げ、取り組みを促す狙いがある。

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