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塩野義 新規の経口抗インフル薬S-033188でロシュと提携 グローバル展開へ

公開日時 2016/03/09 03:50

塩野義製薬はこのほど、自社創製の経口抗インフルエンザウイルス薬S-033188(開発コード)について、日本と台湾を除く全世界でスイスのロシュ社と開発提携する契約を締結したと発表した。販売面は日本、台湾、米国を除く国・地域でロシュが単独販売するが、米国については塩野義がロシュと共同販促する権利を留保している。既存の経口抗インフル薬は5日間の服用が必要だが、S-033188は1日1回1錠の単回経口投与での治療完結を目指して開発されている。

日本では現在フェーズ2段階にある。塩野義は最速で2017年度内の国内申請を予定している。なお、S-033188は15年10月に、厚労省から第一弾の先駆け審査指定品目(=疾患の重篤性など一定要件を満たす革新的新薬が指定され、審査期間を6か月に短縮するもの。第一弾として6品目が指定された)のひとつに指定されている。

塩野義が提携相手にロシュを選んだ理由は、ロシュが経口抗インフル薬タミフルのグローバルでの開発・販売で豊富な経験、実績、高い専門性を持つため。今回の契約締結により、塩野義はロシュから、▽契約一時金▽開発や承認取得などに応じたマイルストン▽製品上市後の販売額に応じたロイヤリティー――を受け取る。

S-033188は、タミフルなど既存のノイラミニダーゼ阻害薬とは異なる新たな作用機序で、高病原性鳥インフルエンザウイルスを含む各種A型、B型ウイルスに強い活性を示す。キャップエンドヌクレアーゼ阻害薬と呼称する新クラスの薬剤で、インフルエンザウイルスが細胞に侵入後、ウイルス増殖に必須なRNA複製過程の最初の反応となるmRNA合成の開始を特異的に阻害し、細胞内でウイルス粒子が形成されなくする。塩野義によると、「単回治療で、既存のノイラミニダーゼ阻害薬に勝ることが、また同時に既存薬に対する耐性ウイルスに対しても治療効果を示すことが期待されている」という。

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