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特許登録までの期間を国際比較:米調査機関

公開日時 2016/11/07 03:50

2015年の日本国内におけるライフサイエンス関係特許の出願から登録までの期間は平均4.6か月であることが米国の特許調査・研究機関知的財産権保護センター(The Center for the Protection of Intellectual Property: CPIP)が11月2日発表した報告書で分かった。

報告書は、「イノベーションへの長い待ち時間:世界的な特許宙ぶらりん問題」(The Long Wait for Innovation: The Global Patent Pendency Problem)。主要国の産業全体と業界別の特許出願から登録までの期間を調査、分析した。国によっては、その期間短縮がみられず、イノベーション促進に弊害があるとして、対策の必要性を訴えている。

業界別に見た特許出願から登録までの期間では、医薬品、バイオテクノロジー、医療技術関係特許をライフサイエンス関係特許と定義し、主要国における2011年と2015年における出願から登録までの期間を比較した。

日本のライフサイエンス関係特許では、2015年は4.6か月で、11年の7.1か月から大きく改善された。米国では、4.1か月から3.7か月とわずかに改善された。日本よりかなり短い。韓国は3.4か月が3.1か月にわずかに改善されたが、もともと日本より短い。EPO(欧州特許庁)では、6.1か月が6.5か月と長くなっている。中国では3.4か月が3.0か月へとわずかに改善された。ブラジル、インドともに同期間は長く、ブラジルは、11.4か月が12.2か月に、インドでは、5.7か月が7.6か月へと共に悪化している。

全産業では、日本は2011年の5.9か月が2015年には3.9か月、米国では3.6か月が3.5か月、EPOでは5.0か月が5.4か月、中国では3.3か月が3.0か月、韓国では2.5か月が2.4か月などの推移を辿っているなど、ライフサイエンス産業では特許出願から登録までの期間が他産業に比較して長期にわたる傾向が浮き彫りにされた。

報告書は、登録までの時間がかかることは、医薬品では自動車や携帯電話などに比べて1製品に特許数が少ないことから製品の「生命」に関わるとし、また、医薬品は、携帯電話などの製品と違って、ブランドの評判や製品の色・外見などで競争するのではなく、基本的には同じような効能で競争することや、医療上の必要性と規制要件に制限されるので、R&Dおよび商業化への投資を回収するために企業にとって特に特許保護が重要と説明している。特許登録時までの時間が長いことは、企業の医薬品市場参入を回避させ、患者に影響を及ぼすリスクがあるとその重大性を訴えている。

CPIPは、イノベーション推進を目的に知的財産権の調査・研究・分析などの専門機関で本部をバージニア州アーリントンに置いている。

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