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安倍首相 薬価制度改革や遠隔診療の推進を加藤厚労相に指示 諮問会議

公開日時 2017/12/04 03:50

安倍晋三首相は12月1日の経済財政諮問会議で、2018年度予算編成で焦点の薬価制度改革や次期診療報酬改定における遠隔診療の評価などを着実に実施するよう加藤勝信厚労相に指示した。この日の諮問会議では18年度予算編成の策定方針を了承した。民間議員は会議の席上、厚労省が中医協に示した薬価制度改革の骨子案に明記された長期収載品の薬価について、後発品と同一水準に達成する期間(最大16年)のさらなる短縮を求めた。

◎薬価引き下げで財源確保 診療報酬本体引き上げのシナリオ着々と

18年度予算編成は諮問会議が、編成作業の策定方針を安倍首相に答申したことから、いよいよ薬価・診療報酬の「改定率」をめぐる議論の山場を迎える。厚労省は今週開催の中医協に薬価調査の結果を報告する見通し。すでに本誌既報の通り(記事はこちら)、前回2016年度改定時に行った薬価調査結果(9月調査)の平均乖離率8.8%を上回る10%前後の過去最大規模の乖離率が示される見通し。財務省は18年度予算編成に際し、社会保障費の自然増を6300億円と推計しており、これを1300億円圧縮し、5000億円規模まで伸びを抑制する方針。今回の薬価調査の結果で前回改定以上の乖離率が示されるとなると、1300億円を上回り、薬価だけで圧縮財源を確保できる。

一方で日本医師会など医療系団体は診療報酬本体の「引き上げ」を求め、自民党の厚生関係議員との連携を強めている。与党内からも高齢化のピークを迎える2025年度までに地域包括ケアシステムを構築するためには、日本医師会だけでなく、都道府県医師会を含む地域の医療関係団体との協働は不可欠との認識も示されており、薬価の引き下げ財源を診療報酬の技術料に振り替えて「診療報酬本体を引き上げるシナリオ」が着々と築かれつつある。


◎民間議員はさらなる改革迫る 加藤厚労相は「医療経営の実態踏まえた改定行う」

なお、この日の諮問会議で民間議員は、18年度予算編成に向けた重点施策についてのペーパーを提出した。薬価制度改革については、薬価制度の抜本改革について着実な実施を求めたほか、長期収載品の薬価を後発品と同一水準にする期間の短縮や、費用対効果評価価に応じた実効的な薬価算定の仕組みの本格的導入、第三者的視点に立った組織・体制の構築に向けた改革工程の明確化などを求めた。このほか、コンパニオン診 断薬の開発インセンティブの強化、コンパニオン診断のルール化も明記した。

民間議員は調剤技術料に触れ、「薬局の機能分化や調剤報酬 の適正化の観点から、門前薬局、門内薬局を中心に調剤基本料を見直すべき」と主張。さらに、オンライン診療を組み合わせた生活習慣病の指導管理や遠隔モニタリングを活用した重症化予防など、効果的・効率的な医療の提供につながる遠隔診療を推進すべきとの見解を示した。

これに対し加藤厚労相は、「医療機関・介護事業者の損益率・収支差率は給与費の増加等により低下傾向にあるが、それでもなお従事者の賃金は他産業に後れ」と指摘。質が高く効率的な医療・介護サービスの提供体制を整備するため、こうした経営実態も踏まえつつ、診療報酬・介護 報酬改定を行う必要がある」と応じた。
 

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