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EAファーマ・松江社長 「日本の便秘治療を根本から変えたい」、年内発売予定の新薬2製品で

公開日時 2018/03/28 03:51

EAファーマの松江裕二社長は3月27日、東京本社で開いた事業説明会で、抗潰瘍薬パリエットなど長期収載品の減収影響で厳しい業績が続くものの、薬価収載手続き中の慢性便秘症治療薬グーフィス錠(一般名:エロビキシバット)や申請中の慢性便秘症治療薬AJG555(ポリエチレングリコール製剤)などの新製品群を伸ばすことで、「売上収益をV字回復させ、(EAファーマを)成長軌道にのせたい」と述べた。MR数は現状を維持する意向も示した。

EAファーマは、エーザイグループの消化器事業と、アミノ酸をコアとする味の素グループの消化器事業が2016年4月に統合して設立した消化器スペシャリティファーマ。16年度の売上は645億円、営業利益は94億円、研究開発費の対売上比率は14%――。16年度の売上が業績の底かどうかについては、「それが底ではない」と説明し、「新製品群が徐々に拡大し、ある一定のところで(収益の)方向性が変わる」と話した。V字回復の時期は「近々」とのみ語った。

V字回復のためには、グーフィスやAJG555の伸長は不可欠。同社は両剤とも年内発売を計画している。

このうちAJG555は腸管内の浸透圧制御を行うことで排便を促す機序の薬剤。欧州を中心に製品名モビコールとして販売されており、小児については英国NICEのガイドランで、成人では世界消化器病学会のガイドラインで第一選択薬に位置付けられている。グーフィスは胆汁酸トランスポーター阻害薬とのクラスの薬剤で、大腸内に流入する胆汁酸の量を増加させて排便を促進する。

松江社長は、日本では慢性便秘に対して酸化マグネシウム製剤が第一選択薬として使用されているとの認識を示した上で、世界のガイドラインや処方状況を引き合いに、「AJG555で酸化マグネシウムのところを置換えていきたい」とし、「AJG555が第一選択で、グーフィスはアドオンする。私たちの目指すところは、日本の便秘治療をこの2剤で根本から変えていきたいということ」と述べた。

慢性便秘症での受診は5%程度にとどまり、残り95%は未治療の潜在市場とのデータがあるという。このため松江社長は、当面は顕在化市場で処方を獲得しつつ、20年頃から医師への疾患啓発に注力し、潜在市場の掘り起こしを行う計画も示した。

このほか、国内フェーズ3段階にある潰瘍性大腸炎を予定適応とするAJM300(一般名:カロテグラストメチル)の将来の収益貢献を期待しているとしたほか、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)領域での新薬開発にも意欲をみせた。

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