中央大・真野教授 高額医療で「混合診療の範疇拡大も」 PhRMA調査踏まえ

公開日時 2018/05/14 03:50
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中央大大学院戦略経営研究科の真野俊樹教授は5月11日、米国研究製薬工業協会(PhRMA)主催のプレスセミナーで講演し、再生医療・遺伝子治療の登場による高額医療の増加を見据え、「ある程度、混合診療の範疇が増えることは、国民皆保険を維持する上でも必要だ」との考えを示した。この日、PhRMAが公表した国民から革新的新薬への要望が強いとのデータを公表したことを踏まえたもの。PhRMAの小野一郎日本副代表は、「高額だから、という理由で狙い撃ちをして値段を下げて問題を解決するということでは、最終的には次の良い薬、治療法が入ってこなくなるという結果につながってしまう」と現行の薬価制度に懸念を示した。

◎8割が日本の医薬品アクセスに懸念 PhRMA調査

この日、PhRMAは2017年10月に18歳以上の男女3050人を対象に行ったインターネット調査の結果を公表。85%が医薬品の利用に制限される政策の導入に懸念を示していた。また、「医療用医薬品の多くが高額になったとしても、革新的で効果的な医薬品を市場にできるだけ残すべき」が43%で、「治療効果の高い新薬が減ったとしても、医薬品の価値をできるだけ低く抑えるべき」の36%を上回った。

この結果を踏まえ、セミナーでは、最先端医療へのアクセスに焦点があてられた。中国が医薬品の規制緩和を進めていることや、韓国が病院のM&Aなどを進めて治験の誘致など産業化を進めている実態を紹介。「日本が負けているのは、最先端医療への取り組みだ」と指摘した。その上で、真野教授は、混合診療の必要性を認めたが、「命、生命予後に関係することは医療保険から外すのは難しい」と強調した。

一方で、最先端医療が数多く導入されている韓国ではその多くが混合診療であり、結果として自己負担が増加していると説明した。真野教授は、韓国のような混合診療導入に反対した上で、「今後の流れを見ると混合診療を増やしていかないと皆保険を維持できないのではないかという主張だ」と説明した。一方で、生命にかかわらない、患者の生活の質(QOL)向上を目指した治療の適応範囲についての見直しの必要性について言及した。さらに、「その延長戦で(風邪などの)軽医療は生命予後に関係ない。どこまで医療保険でみていくのか」と述べた。

社会保障費の伸びが抑制される中で、医薬品産業、医療業界に厳しさもはらむ中で、医薬品を含めた医療業界の“産業化”の必要性も主張。中国などから医療ツーリズムでの患者が増加していることを引き合いに、「社会保障を充実させることが重要だが、製薬業界を含む医療界が稼げるような体質を作っていかないといけない」と主張した。

◎小野副代表 革新的新薬の評価は長期収載品・後発品とのメリハリを

一方、小野PhRMA日本副代表は、18年4月実施の薬価制度改革が「非常に厳しい内容だった」と改めて表明。「グローバルな大企業も、ベンチャー的な企業も、患者の医薬品へのアクセス、特に新しい、より良い薬へのアクセスへの危機感がある」との見方を示した。

その上で、高額薬剤問題については、「どこを削ってどこを伸ばすか、これから議論を深めていかないといけない」との考えを表明。「長期収載品や後発品で出せる余地があるのではないか」と述べ、革新的新薬とメリハリをつけた評価を行うことを求めた。また、最適使用推進ガイドラインが策定されている現状にも触れ、より「注意して使うということ、は入ってくるのではないかと思っている」とも述べた。

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