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阪大・竹原教授 エプクルーサ上市でC型非代償性肝硬変患者への効果に期待

公開日時 2019/01/30 03:50

大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学の竹原徹郎教授は1月25日、ギリアド・サイエンシズ主催のメディアセミナーで、エプクルーサ配合錠(一般名:ソホスブビル/ベルパタスビル配合錠)について、C型非代償性肝硬変患者やDAA治療失敗例など、アンメットメディカルニーズを満たすことに期待感を示した。竹原教授は、肝臓の障害度を示すChild-Pughで、「今まで治療ができなかったBやCに分類された患者に使っていったらいいのではないか」と述べた。同剤は、1月8日に「前治療歴を有するC型慢性肝炎、C型代償性肝硬変とC型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果として承認を取得している。

同剤は、核酸型NS5Bポリメラーゼ阻害剤・ソバルディ(一般名:ソホスブビル)と新有効成分である、NS5A阻害剤・ベルパタスビルを含有する新規配合剤。

同剤の国内臨床第3相試験では、非代償性肝硬変を伴う患者102例を対象に、「SVR12」(投与終了12週間後のウイルス持続陰性化率)を検討した。竹原教授は、同剤を投与した群では92%(47/51例)で、リバビリン並行投与した群と同様の結果だったと紹介した。

副作用は、同剤を投与した群では17.6%(9/51例)に発生し、発疹が2例などだった。一方、リバビリンを並行投与した51例のうち、死亡が3例報告されたが、同剤との因果関係はないと判断されたという。竹原教授は「そもそも重症の患者なので、単なる感染症の治療としてではなく、総合的に肝臓の診療ができるような専門の施設で慎重に投与される必要がある」と指摘した。

直接作用型抗ウイルス薬(DAA)を含む前治療が成功しなかったジェノタイプ1/2のC型肝炎ウイルス感染者117例を対象にした別の国内臨床第3相試験では、エプクルーサとリバビリンを24週間併用投与した群のSVR12は97%(58/60例)だった。12週間投与した群では82%(47/57例)だった。

◎特殊な薬剤耐性P32欠損の症例への効果に期待

特殊な薬剤耐性P32欠損を保有した症例でも、5例中4例がSVR12を達成した。竹原教授は、「このウイルスに感染した患者を治す薬は全くなかった」と述べ、アンメットメディカルニーズが満たされたと評価した。

同日のセミナーでは、特定非営利活動法人・東京肝臓友の会の米澤敦子事務局長も講演し、同剤の販売を待ち望む声が相次いでいる現状を紹介した。米澤事務局長は、「全国にいる多くの患者がこの薬にたどりつけるよう願っている」と述べた。


 

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