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【グローバル企業23年決算分析 13位以降編】アムジェン、ギリアド、リジェネロンで成長持続

公開日時 2024/04/04 04:51
外資製薬企業の23年医療用医薬品売上高上位各社の決算概況を紹介する第4回目(最終回)は、13位~15位のアムジェン、ギリアド・サイエンシズ、バイエルと、高い研究開発力で知られる18位のリジェネロンを取り上げる。(全4回連載、1回目 2回目 3回目

◎13位アムジェン 医療用薬7%増収 プラリア、イベニティ、ビーリンサイト、レパーサは2桁成長

アムジェンは総売上高(医療用医薬品売上高)が7%増の281.90億ドルとなり、13位だった。アイルランドのホライゾン社買収が9.54億ドル(23年10月6日~12月31日)寄与した。純利益は3%増の67.17億ドルで6位だった。

骨粗鬆症治療薬・プロリア(プラリア)が12%増の40.48億ドルを売り上げ、同社売上1位となった。同じく骨粗鬆症治療薬のイベニティは47%増の11.60億ドル、急性リンパ性白血病治療薬・ビーリンサイトは48%増の8.61億ドルと40%台の伸びを示した。高コレステロール血症治療薬・レパーサも26%増の16.35億ドルと2桁の伸びを示した。

同社が創製し、アストラゼネカと提携している気管支喘息治療薬・テゼスパイアは約3.3倍の5.67億ドルとなった。23年10月6日に買収を完了したホライゾン社品の売上(買収完了日~12月31日)は、甲状腺眼症治療薬・Tepezza(テプロツムマブ)が4.48億ドル、痛風治療薬・Krystexxa(ペグロティカーゼ)が2.72億ドルなどとなっている。

24年の総売上高は324億ドル~338億ドルを見込んでいる。

◎14位ギリアド・サイエンシズ 抗HIV薬・ビクタルビが14%増の118億ドルに

ギリアド・サイエンシズの総売上高(医療用医薬品売上高)は1%減の271.16億ドルとなり、全体で14位だった。うち製品売上高は横ばいの269.34億ドル。純利益は23%増の56.65億ドルで10位だった。

抗HIV薬群は6%増の181.75億ドルと総売上高の67%を占めている。中でもインテグラーゼ阻害剤(INSTI)ビクテグラビルと核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)エムトリシタビン及びテノホビル・アラフェナミドの配合剤ビクタルビが14%増の118.50億ドルを記録した。

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するCAR-T細胞療法・イエスカルタは29%増の14.98億ドル、乳がんに対する抗体薬物複合体(ADC)のTrodelvy(サシツズマブ ゴビテカン)は56%増の10.63億ドルとなった。新型コロナ治療薬ベクルリーは44%減の21.84億ドルだった。

24年の製品売上高は271億ドル~275億ドルを見込む。うち、新型コロナ治療薬ベクルリーは13億ドルを見込んでいる。

◎15位バイエル 医療用薬6.1%減収 最主力のイグザレルト、後発品及び価格圧力で苦戦

バイエルは総売上高が6.1%減(為替の影響を除くと1.2%減)の476.37億ユーロ(514.48億ドル)となり、このうち医療用医薬品の売上高は6.1%減(同0.4%減)の180.81億ユーロ(195.27億ドル)で15位だった。純損益は29.41億ユーロ(31.76億ドル)の赤字だった。

最主力品の抗凝固薬・イグザレルトは9.6%減の40.81億ユーロ(44.07億ドル)だった。後発品との競争と価格圧力を要因に、中国と英国における減少が目立ったという。加齢黄斑変性等の治療薬・アイリーアはカナダと欧州で販売数量が増加し、0.6%増の32.31億ユーロ(34.89億ドル)となった。

新製品の前立腺がん治療薬ニュベクオは86.5%増の8.69億ユーロ(9.39億ドル)、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病治療薬ケレンディアは152.3%増の2.70億ユーロ(2.92億ドル)と大幅に伸長した。なお、為替レートは23年の年間平均で1ユーロ=1.08ドルだった。

24年の総売上高は470億ユーロ~490億ユーロを予想。医療用医薬品部門は4%減~0%を見込んでいる。

◎18位リジェネロン 医療用薬8%増収 デュピクセントの提携収入33%増の38億ドルに

リジェネロンは総売上高(医療用医薬品売上高)が8%増の131.17億ドルとなり、18位だった。純利益は9%減の39.54億ドルで13位だった。

◎米国販売のアイリーア 競合品バビースモの影響で9%減

米国で販売している加齢黄斑変性等治療薬・アイリーアは、競合品となるロシュ社のバビースモの影響を受け、9%減の57.20億ドルとなった。23年8月に米国で承認を取得した、維持期における投与間隔を延長したアイリーアHD (8mg製剤)が1.66億ドル寄与した。同社が創製した抗PD-1抗体・リブタヨは93%増の8.63億ドルを売り上げた。

同社創製のデュピクセントなどの抗体薬に係るサノフィ社との提携収入は33%増の38.00億ドル、同社創製のアイリーアに係るバイエル社との提携収入は4%増の14.87億ドルとなった。


外資製薬企業 23年純利益ランキング
(単位:百万ドル)
順位 企業名 純利益 増減(%)
1 ロシュ(スイス)* 13,717 -9
2 ジョンソン・エンド・ジョンソン(米) 13,326 -19
3 ノボ ノルディスク(デンマーク)* 12,134 51
4 ノバルティス(スイス) 8,572 42
5 ブリストル・マイヤーズ(米) 8,025 27
6 アムジェン(米) 6,717 3
7 グラクソ・スミスクライン(英)* 6,582 8
8 アストラゼネカ(英) 5,961 81
9 サノフィ(仏)* 5,832 -36
10 ギリアド・サイエンシズ(米) 5,665 23
11 イーライリリー(米) 5,240 -16
12 アッヴィ(米) 4,863 -59
13 リジェネロン(米) 3,954 -9
14 ファイザー(米) 2,119 -93
15 バイオジェン(米) 1,161 -62
16 メルク(米) 365 -97
17 ヴィアトリス(米) 55 -97
18 テバ(イスラエル) -559
19 バイエル(独)* -3,176
医療用医薬品売上高上位19社を集計。
J&J、ノバルティスは継続事業。
1ユーロ=1.08ドル、1ポンド=1.24ドル、1CHF=1.11ドル、1DKK=0.145ドルで計算。




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