MSDはこのほど、転勤せずに地域限定で勤務したいＭＲのニーズに応えるため、100％出資の販促子会社「日本MSD合同会社」を設立したと発表した。設立日は３月４日、業務開始予定日は７月１日となる。日本MSDの社員は初年度に数十人規模を予定し、MSD本体に募集をかけるほか、社外採用も行う。営業職に関するMSD本体への募集では、営業所長を含む「現場の営業職」を対象とする。日本MSDのＭＲが担当する製品は、「当面はMSD本体の営業と同じ」（広報部）で、特許切れ製品のみを扱う子会社ではないとしている。

子育て、子供の就学、介護など地域限定で働きたいニーズは高い。同社広報部は本誌に対し、日本MSDの設立は優秀な人材が離れないよう多様な働き方を支援するものであり、MSD本体のスリム化の一環ではないと説明した。また、地域限定の勤務形態により、顧客との長期リレーションを基盤とした営業活動も期待できるとしている。

日本MSDの給与体系は、MSD本体の給与体系をベースにしつつ、勤務地域の報酬水準や競合他社の水準を含めて総合的に検討して決める。なお、MSDのMR数は現在約2400人だが、日本MSDの発足により、MSD本体や、本体と日本MSDを合算したグループ全体のMR数は明らかにしていない。