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ファイザー 感染症・眼科領域をエスタブリッシュ部門に移管 LCMを強化

公開日時 2014/03/10 03:50

ファイザー日本法人は3月7日、2013年度業績の記者会見を開き、14年1月に実施した組織変更の中で、MRを含む感染症・眼科領域担当チームを特許切れ製品や後発品を扱うエスタブリッシュ医薬品(EP)事業部門に移管したことを明らかにした。新たな脂質異常症治療薬として開発競争が激しい抗体医薬のPCSK9阻害薬の国内フェーズ2(P2)試験を14年1月から始めたことも公表した。

 

日本法人では感染症・眼科領域に特許期間中の製品があるが、米国市場で2015年を目途に特許切れする製品について米国本社がEP部門に移管することから、日本法人も同様の体制にする。同社では、感染症・眼科領域に有望な後期開発品がなく、今後はEP部門で新剤型や適応追加などライフサイクルマネジメント(LCM)を展開していく。

 

梅田一郎社長は会見で、「特許切れの時期は各国で異なり、日本では(特許期間が)多く残されているものもあるが、グローバルで歩調を揃えていく必要がある」と述べた。ただ、チームをそのまま移行したため、MRの担当医にほとんど変更はないという。

 

同社によると、直近のMR数は約2700人で、部門やチームごとの内訳は開示していない。これまで同社はMR3000人体制と説明していたが、同社広報部は人数の差異について、リストラによるものではなく、従来の公表数が概数であったことや自然減、採用控えによるものと説明している。

 

◎13年度業績1.2%増収 新薬群の成長で

 

日本の13年度業績は売上5307億円、前年比1.2%増となった。降圧薬ノルバスクや脂質異常症薬リピトールの特許切れで12年度は前年比4.2%減収と厳しい業績だったが、13年度は疼痛治療薬リリカ、消炎・鎮痛薬セレコックス、抗リウマチ薬エンブレル、抗がん剤インライタなどの新薬群の成長で特許切れ影響を吸収した格好だ。14年度はリリカなど主力品の更なる成長に加え、13年に新発売した経口抗凝固薬エリキュース、新規作用の経口抗リウマチ薬ゼルヤンツの成長を見込む。

 

梅田社長(写真左)は13年度を振り返るなかでエリキュースに触れ、国内3番手に発売したことを指摘しながら「考えていたよりもハードルが高かった」と苦戦を認めた。ただ、「治験成績を説明する中で、他の薬剤よりも優れているとの評価をいただいている」と強調し、14年3月の長期処方解禁を機に「処方が加速し、広がっていくのでは」と期待を示した。

 

ゼルヤンツでは、発売時に懸念されていた長期安全性について、国内外のデータが蓄積された結果、昨秋の米国リウマチ学会でバイオ製剤と同等の長期安全性が発表されていると説明。日本人での長期使用成績も近く学会で公表される見通しを示し、「(14年6月の)長期処方が始まる前に安全性に関する適正使用情報を広くお伝えし、処方しやすい状況を作っていきたい」と述べた。

 

◎PCSK9阻害薬の国内P2開始 「ファーストインクラス目指す」

 

同社医薬開発部門の原田明久部門長は会見で、14年1月からハイリスクの脂質異常症を対象とした抗体医薬PCSK9阻害薬RN316(開発コード)の国内P2を開始したと発表した。PCSK9阻害薬については、開発競争が激化しているが、原田氏は「実際の臨床試験でデータを見てみないと製品特性はわからないところがあるが、(ファイザーとしては)自分たちのプロダクトをファーストインクラスにしていきたい」と意気込みを語った。なお、グローバルでは複数のP3が進行中で、心血管イベントを検討するP3 は15年末の終了を目指している。

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