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本誌調査 国内主力品市場 成長鈍化が鮮明に 100億円超製品の消失が原因

公開日時 2019/07/04 03:52
ミクス編集部は製薬各社が発売する年間売上100億円超製品の市場動向を分析した。100億円超の製品数は13年度の162製品をピークに、年々減少し、17年度は148製品、18年度は135製品まで減った。編集部が行ったアンケート調査で補足できない製品も存在するとはいえ、1年間で10製品以上の100億円超の製品が消失したのは初めて。中身を見ると、過去に市場をけん引した生活習慣病が退き、スペシャリティ薬が台頭する市場の様変わりぶりが見てとれる。(詳細データはMonthlyミクス7月号、ミクスOnlineに掲載)

編集部は、製薬企業対象の決算アンケート(18年度:83社対象、54社回答)を行い、年間売上高100億円以上の製品を「主力品」と定義して集計した。18年度は、17年11月発売のC型肝炎治療薬マヴィレット(アッヴィ)が1328億円を売り上げるという特殊要因があったが、ランクインした135製品の合計売上高3兆7459億円と、17年度(148製品)より1375億円減少した。

◎18年度・100億円を下回った製品17品目


各社の業績を支えながら、特記切れに伴う後発品の市場浸透などで18年度に100億円を下回った製品が17品目あった。降圧薬ディオバン、アムロジン、イルベタン、アダラート、高脂血症薬クレストール、2型糖尿病薬セイブルなど。かつて国内市場の成長の土台となったよく知られた生活習慣病薬が目立つ。後発品参入に伴う市場浸食が主な原因だが、これ以外に後発品発売後10年を経過した製品の薬価を段階的に引き下げる、いわゆる「G1・G2ルール」の適用を受けた製品もあった。抗血小板薬プレタール、高血圧や心房細動に用いるメインテートで、売上高は半減した。

この傾向は、製品タイプ別の合計売上高の伸び率にも表れる。生活習慣病薬(26製品)の伸び率はマイナス8.6%。ずっとマイナス基調で、18年度はマイナス他の薬価改定年より少しマイナス幅が大きく出ている。中身を見ると、糖尿病薬(12製品)はSGLT2阻害薬の伸びがありプラス2.7%だったものの、高脂血症薬(4製品)のマイナス5.2%、降圧薬(6製品)のマイナス32.7%が押し下げたことが分かる。

◎新規ランクインの新薬は5製品だけ スペシャリティ中心 大型品少なく


一方、100億円超市場に新たにランクインした新薬が5製品あった。ブロックバスター製品となったマヴィレット以外に、抗インフルエンザウイルス薬・ゾフルーザは263億円で季節製品にもかかわらず塩野義製薬の業績伸長に大きく影響した。このほか抗HIV薬・デシコビ(124億円)、制吐剤・イメンド/プロイメンド(106億円)、抗がん剤・レンビマ(100億円)と続く。スペシャリティ薬が中心となり、市場性の高い大型品が少ないのが特徴だ。
 
 


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