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東和薬品 スペインのペンサ社買収で合意 欧米に販売・生産拠点確保 ラクタブ技術の海外展開も視野

公開日時 2019/12/24 04:52
東和薬品の吉田逸郎社長は12月23日、東京都内で記者会見し、スペインのエステべグループのジェネリック薬事業を集約したペンサ・インベストメンツ社(ペンサ社)を389億円で買収すると発表した。この買収により東和薬品は欧米での販売基盤を確立できるほか、各国の薬事規制や商習慣に関するノウハウを手に入れる。バルセロナにある製造拠点・生産設備を傘下に収めることで、同社が独自開発した「RACTAB(ラクタブ)技術」を海外展開することも可能となる。吉田社長は会見で、「今回の買収により、欧州複数国に加えて、米国での販売網を獲得したほか、生産拠点を得たことで、本格的な海外進出を果たすことになる」と強調した。

東和薬品は中期経営計画2018-2020「PROACTIVE」の中で、新規市場(海外)への進出・新規事業の創出を掲げていた。今回買収するペンサ社は、欧州のGE販売を手掛ける「ペンサファーマ社」(本社:スペインバレンシア州、従業員約180人)、米国のGE販売を手掛ける「ブリッケンリッジファーマシューティカル社」(本社:米国コネチカット州、従業員約40人)、受託製造ビジネス・R&D、製造拠点の「ドーズイノバ社」(本社:スペインカタルーニャ州、従業員約600人)からなる。この中でもペンサファーマ社はスペイン以外に、ポルトガル、ドイツ、イタリア、スウェーデンの5か所に事業拠点を持つ。

さらにスペイン・バルセロナにあるドーズイノバ社のマルトレージャス工場は、EMA、FDAに準拠した製造拠点・生産設備を持つ。なお、ペンサ社の業績は、主に米国での価格下落を受け、16年~18年まで3年間減収が続いたが、2019年見込みで売上・利益とも回復基調に転じている。

◎欧米20か国超 300品目以上の製品を供給

吉田社長は会見でペンサ社を買収する目的に触れ、欧米における販売基盤が確保できたと強調した。またこれに伴い複数国に独自の販路を持ち、これまで実績を生んだ20か国以上300品目以上の製品の供給に引き続き注力する考えを表明した。このほかEMAやFDAなどの承認プロセスなど、薬事規制面のアクセスも改善されるほか、商習慣や販売・流通チャネルなどにも対応できると期待感を示した。製造拠点・生産設備に関して吉田社長は、「将来的に東和薬品の付加価値製剤を海外で展開することも可能になる」と述べ、特に同社の強みであるラクタブ技術を海外でも広く展開できることに強い意欲を示した。

◎買収金額は389億円 20年1月末までに買収完了目指す

なお、ペンサ社の買収金額は3億2000万ユーロ、日本円で389億円(1ユーロ=121.63円で換算)。資金調達は金融機関からの借入金および手元資産を充当する。買収完了は2020年1月末を予定している。

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