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国立感染研 大型客船の船内環境調査 感染者の部屋、トイレ床、枕、TVリモコンからウイルス検出

公開日時 2020/05/07 04:50
国立感染症研究所は5月3日、新型コロナウイルス感染症を集団発生させたダイヤモンドプリンセス号の船内環境調査の結果を報告した。調査は患者周囲の環境汚染の程度を確認するために行ったもの。船内の共有部分(97か所)、部屋(490か所)、空気(14か所)から検体を採取し、58検体からSARS-CoV-2RNAを検出した。検出部位は、浴室内トイレ床、枕、電話機、TVリモコンなど。新型コロナ感染患者でない人の部屋からは検出されなかった。

横浜港に停泊(2月)していたダイヤモンドプリンセス号には4711人の乗員乗客が乗船し、うち712人が新型コロナウイルスに感染した。感染研は患者周囲の環境汚染の程度を確認し、感染伝播について推測するために船内の環境調査を実施した。調査の方法は、環境表面をスワブで拭い、検体を採取し、感染研でRT-PCRにてSARS-CoV-2 RNAを検出した。

◎共有部分、部屋、空気からSARS-CoV-2 RNAを検出

合計601か所(共有部分、部屋、空気)から58検体でSARS-CoV-2 RNAが検出された。有症状患者が使用していた19部屋中、10部屋から28検体を検出。無症状患者しか使用していなかった13部屋中、10部屋から28検体が検出されたが、「これに有意な差は認められなかった」としている。

各部屋の検出頻度は、浴室内トイレ床13か所、枕11か所、電話機8か所、机、TVリモコン7か所など。退室からRNA検出検体採取までの日数は最長17日。患者でない人の部屋からは検出されなかった。また空気検体からの検出も認められていない。

◎空気伝播を示唆する証拠は得られず

感染研としては今回の調査報告を踏まえ、「トイレ周辺、机、電話機、TVリモコンなどよる接触伝播の可能性を考慮し、これら物品は適切に清掃・消毒・洗濯すべきである」と指摘している。さらに、「患者周囲では症状の有無に関わらず環境が汚染されており、日常的な手指衛生が極めて重要であることが再確認された」と分析した。「空気伝播を示唆する証拠は得られなかった」としたが、廊下天井排気口からSARS-CoV-2 RNAが検出されており、「特殊な環境でウイルスが遠方まで浮遊する可能性について更なる検討が必要」とした。


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