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AZ・バーネット社長 AI活用でビジネス変革を加速 日本市場で30年までに50以上の承認取得目指す

公開日時 2026/04/13 04:53
アストラゼネカのアンドリュー・バーネット代表取締役社長は4月10日、就任後初の記者会見に臨み、「我々は“ローンチ・マシン”にならなければならない」と述べ、2030年までに日本市場で50プロジェクト以上の承認取得を目指す方針を明らかにした。日本国内の25年業績は前年比0.1%減の売上高5134億円。24年度薬価改定で特例拡大再算定・用法用量変化再算定の影響を受けてイミフィンジの薬価が引き下げられたものの、アレクシオンを含めたグループ全体では「日本市場で売上ナンバーワン」を確保した。26年以降の舵取りを任されたバーネット社長は、「患者さんに医薬品を届ける組織にするべく、(ビジネスへの)考え方や手法を変える」と強調し、ビジネス変革にAI活用を加速させる方針を表明した。

AZの25年グローバル業績は前年比約8%増の587億3900万ドルを達成。30年までに売上目標800億ドルの達成を掲げている。目標達成の原動力となる開発パイプラインはグローバルで100以上の第3相臨床試験が進行中、新規化合物だけで20の上市を計画している。

◎成長の原動力にAI活用 「日本法人の習熟度は100%に達する」

バーネット社長は、「上市の数、新薬、適応症の数がこれまで以上に増えていく。その結果、私たちはより効率よくインパクトを出していく必要がある」と強調。ビジネスの加速と変革の原動力としてAI活用の重要性に触れた。またAI活用の具体像として、医薬品の研究開発・製造・コマーシャルに至るすべてのサプライチェーンへの導入を進めていると説明。日本法人での習熟度は100%に達すると明かしながら、「従業員全員がAIを使いながらパイプラインの開発を前に進め、患者さんにお届けすることを継続していく」と強調した。

日本での市場戦略については、「国内には学術センターが多くあり、イノベーションが多く生まれている。そういったところと連携して、日本初のイノベーションが加速していく姿を世界に発信していきたい」と強調。また人材育成の面では、「日本には非常に優秀な人たちが働いており、その優秀な人材に育成の機会を与えることが重要だと思う。日本国内あるいはグローバルでの成長機会を確保していきたい」と述べ、人材育成に意欲を示した。

中東情勢の影響については、「製造拠点が全世界に散らばっており、日本への供給は問題ない。医薬品のほとんどは二重でサプライチェーンを構築しているため、強靭性が高く、問題を回避できると考えている」と説明した。また、MFN(最恵国待遇)政策については、「課題認識はあるが、日本の薬価制度でもイノベーションが報われるようなシステムになるよう、行政や厚労省、ステークホルダーと建設的なディスカッションをし、日本の患者さんに医薬品を届けられるよう努力していく」と述べた。

◎オンコロジー戦略 多面的アプローチとデータ活用

ヴィクラム・チャンド執行役員研究開発本部長はオンコロジーの研究開発戦略として、▽細胞療法・免疫誘導抗体・ADC(抗体薬物複合体)やDDR(DNA損傷修復)など「複数の方向からがんを攻撃する」、▽ctDNAによる診断・経過観察などで「より早く、よりスマートに治療する」、▽データを理解するAIを活用するなど「変革技術を活用する」―の3点を掲げた。現在、オンコロジーで70、バイオファーマで42の臨床試験が行われている。チャンド執行役員R&D本部長は、「非常にしっかりしたパイプラインがアストラゼネカにはある。日本においても、患者さんにそうしたものをお届けして、アウトカムを向上したい」との見通しを示した。

◎新体制へ移行 堀井前社長「盤石に準備」

3月31日付で代表取締役社長を退任した堀井貴史シニアアドバイザーはこの日の会見で、「日本法人の新体制について盤石に準備が整ってきているということを、私の方からお伝えしたい」と発言の冒頭で切り出した。バーネット社長については「会社全体のことやグローバルなポートフォリオの戦略、プロダクトへの理解が本当に広くて深く、日本の市場のことに関してもキャッチアップが早い」と評価。チャンド執行役員研究開発本部長も、「アジアの経験・知識が非常に豊富だ」とし、「このような盤石な体制のもとで一緒に引き継ぎをできることを誇りに思う」と期待感を示した。

【訂正】下線部の表記に誤りがありました。記事中の25年度業績はAZ単体によるものです。修正します。(4月13日15時45分)





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