エムスリーは12月5日、欧州法人M3 Medical Holdingsを通じ、英国National Health Service（NHS）向けに海外からの医師リクルーティング支援事業を行う英国Remedium社を買収したと発表した。エムスリーは英国NHSとの関係性を強化するとともに、アジア、アフリカ、中東における医師ネットワークの拡大が可能となる。

今回買収したRemedium社（Remedium Holdings Ltd.）は、海外で教育・訓練を受けた医師を英国に派遣する国際的な医師リクルーティング支援企業。ロンドンに本社を構え、インド・ムンバイにも人材オペレーション拠点を置いている。

医療人材不足に直面する英国NHSは、高額な臨時代診サービスのコストを抑えつつ医師数を増やす施策として、海外から人材を採用する需要を急激に高めている。こうした中でRemedium社は、海外の医師をNHSに紹介するリーディングプレイヤーの位置づけとして、アジア、アフリカ、中東出身の医師の英国への移住、医師免許取得、現地医療機関への配属といった一連のオペレーションで実績を有する。エムスリーは同社の買収を通じ、英国NHSとの関係性強化に加えて、エムスリーグループが有するグローバル600万人の医師会員基盤や、英国でトップシェアを占める医療機関向け従業員就業時間スケジュールソフトウェア「RotaMaster」などグループ内事業との連携による事業拡大などを期待している。