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英NICE 低リスク患者のCVDイベント抑制にスタチンの投与推奨

公開日時 2023/01/26 04:48
英国立医療技術評価機構(NICE)は1月12日、脂質異常症治療薬スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害剤)について、10年間のCVDリスクが10%以下でCVDイベントを発症したことのない患者への一次予防としての投与を推奨すると発表した。国民保健サービス(NHS)においては、従来、心臓疾患および脳卒中など心血管(CVD)イベントのリスクの高い患者への投与を推奨していた。新規ガイダンス案ではそれら患者に加え、リスクの低い患者への投与も推奨する。

従来のガイダンスでは、NICEの独立委員会が、10年間のCVDイベントリスクがリスクスコアで10%以上の患者に対してスタチン製剤を推奨していた。今回の推奨は、NICEの独立委員会が、CVDリスク評価と同剤の副作用や安全性の新規エビデンスを考慮したCVDリスクの減少に基づいてガイドラインを更新したことによる。

◎CVDリスク10%以下でイベント未発症患者への一次予防としての投与推奨

新規ガイダンス案は、10年間のCVDリスクが10%以下でCVDイベントを発症したことのない患者への一次予防としての投与を推奨するもの。NICEは、今回のガイダンス案が実行されると、今後10年間でCVDリスク5%の患者1000人につき20人が心疾患あるいは脳卒中の発症を抑制できると見通している。この推定では、リスクが10%の場合1000人につき40人が、リスクが20%の場合70人が心疾患あるいは脳卒中の発症を抑制できると見ている。

NICEのPaul Chrispガイドラインセンター部長は、「我々が言っていることは、最初の心臓発作もしくは脳卒中の発症の10年間のリスクが10%以下の患者にとって、ベネフィットとリスクを考慮するインフォームドコンセント後にスタチンを服用するかの決定は、個々の患者に任されているということだ。我々の見解では、CVDリスクが10%あるいは10%以下の人々にとって、スタチンがそのリスクを減少させるのに適切なチョイスであることのエビデンスは明らかとなっている」とコメントした。


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