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中外製薬 日本IBMと「生産機能DX」本格始動、浮間工場皮切りに宇都宮・藤枝の3工場と統一システム運用へ

公開日時 2023/03/07 04:51
中外製薬は3月6日に開催したデジタルプラント実現に向けた生産機能DXの記者説明会で、浮間工場に導入した生産データの統合や現場作業者のリモート支援を宇都宮工場、藤枝工場に横展開する方針を明らかにした。同社は日本IBMと協働でデジタル基盤を構築し、22年10月に稼働させた。その第1弾となる浮間工場では、工場内業務の可視化を行い、要員配置の最適化やスマホを活用したリモート支援などに取り組んでいる。中外製薬工業の上野誠二生産技術研究部長は、「まずは人に着目したDXを実行した」と述べ、生産性や信頼性の向上を通じ、現場従業員の働き方の変革などにつなげたいと意欲を示した。

製薬工場における生産業務は、熟練者が製造ラインごとに作業計画を立案するなど、いわゆる“職人”の世界になっていることが多い。また、生産現場の要員活用も、一つのラインの中に限定されるなど、生産需要の増減対応などに課題がある。加えて従業員の資格情報が分散し、失効者の検知に手間がかかるなどの問題もあった。今回、中外製薬が目指すデジタルプラント構想はこうした課題解決に加えて、生産性向上、信頼性向上、働き方の変革を目指すものだ。

具体的には、従業員とオペレーションに関するデータ連携を推進することで、製造ラインごとでなく、工場全体の作業計画を一括で立案し、従業員と連携できる体制を整える。次に、従業員の資格を可視化することで、工場全体に適切な資格を持つ作業者を配置できるほか、従業員の資格に応じて様々な教育を効率的に指示できるようになる。一方、これまでは現場に行かないと状況が分からず、的確な指示ができないという課題に対して、スマホを用いて動画通話や画像記録などを通じた遠隔からの的確なコミュニケーションを可能とした。

◎上野部長 Wave3ではハードウェアとの連携も進め、スマートファクトリーを目指す

上野部長は会見で、「Wave1として今年1月から浮間工場(東京都)で本格的に稼働した。まだ2か月程度だが、従業員の働き方の変革や全体連携の浸透といった視点で、現場からは変化の実感を聞いている」と指摘。現在は、“Wave2”として、同社の宇都宮工場(栃木県)と藤枝工場(静岡県)への展開を進めていることを明らかにした上で、「早期に3工場で統一のシステム運用を目指したい」と述べた。さらに“Wave3”にも言及し、「これらのシステムから得られたデータを分析し、さらに高度に活用できるようにするとともに、ハードウェアとの連携も進め、スマートファクトリー、デジタルプラント目指したい」と強調した。

◎日本IBM・中島氏 製造DXに必要な機能を順次追加 各製薬企業への展開を推進

日本IBMコンサルティング事業本部の中島理絵ヘルスケア&ライフサイエンス・サービスパートナーは、今回の中外製薬との共創による業務改革への取り組みに期待感を表明。製薬製造DXに必要な機能を順次追加し、「IBM Life Science Smart Factory Asset」として各製薬企業への展開を推進する考えを強調した。

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