米・BIO CDCの予防接種実施諮問委員会 委員17人解任で声明 「米国人の生命を危険にさらす」
公開日時 2025/06/18 04:51
米バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)は6月9日、Robert F Kennedy HHS(保健福祉省)長官が、疾病管理予防センター(CDC)の予防接種実施諮問委員会(ACIP)の委員17人全員を解任したことを受け、これを懸念し、批判するJohn F Crowley会長の声明を発表した。
Crowley会長は、まず、第3者の専門家によって構成されるACIPが米国における安全かつ有効なワクチンについての各種決定において不可欠であるばかりでなく、米国人の予防接種へのアクセスについて重要な役割を果たしてきたことを評価した。そのうえで、「我々は、委員会メンバーの突然の解任、しかも、それがRSV(呼吸器合胞体ウイルス)、インフルエンザ、HPV(ヒトパピロマウイルス)および他の重要なワクチンへの推奨を議論する予定だった次回会合の3週間前に実施されたことが不安定さを生じ、そのことを懸念する」と述べた。さらに、「ワクチンの審査はワーキンググループが数か月かけ、公聴会も開催、議論を重ねて行う。しかし、この方法が全体的に変更されると、熟議し、よく熟知されたワクチン推奨を行う委員会の能力に否定的な影響を与え、米国人の生命を危険にさらす」と危惧を表明した。
同会長は、最後に、「我々は、ワクチン接種における信頼を取り戻すには、透明性が重要であることに同意する。しかしながら、今日取られた措置は、米国人の公衆衛生を保護してきた実績のあるシステムをひっくり返すものである」と批判した。
◎Kennedy長官 新たにACIP委員8人を任命 ワクチンに懐疑的、批判的な立場の専門家も
Kennedy長官は、かねてから、ワクチン全般に対して接種に批判的な持論を展開してきた人物である。同長官は、6月11日、新たにACIP委員に8人の専門家を任命したが、その中には、ワクチンに懐疑的、批判的な立場を主張している専門家がいるとされる。