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国がん 大腸内視鏡検査「TXI観察法」の有効性を検証 通常光観察法より「見逃しがん」の発見率が高く

公開日時 2025/07/28 04:50
国立がん研究センターは7月25日、大腸内視鏡検査の新技術として注目される「TXI観察法」について、ポリープ発見率や平坦型病変の発見率が通常光観察法より高いことが示されたと発表した。記者会見に臨んだ同センター中央病院内視鏡科の豊嶋直也医員は、「TXI観察法では色調の変化や粘膜構造が強調されるので、より病変を見つけやすくなる。“見逃しがん”の原因になる病変をしっかりと発見し、早期治療につなげることが重要だ」と強調した。

TXI(Texture and Color Enhancement Imaging)観察法は、内視鏡画像の「明るさ補正」、「テクスチャ―強調」「色調強調」の3要素を最適化した観察法。従来の通常光観察法と比べて、内視鏡画像に現れるわずかな色や構造の変化を視認しやすくするという。

◎国内8施設で従来法とのランダム化比較試験 ポリープや平坦型病変の発見率で上回る

国立がん研究センター中央病院など国内8施設からなる研究チームでは、TXI観察法の大腸腫瘍性病変の発見技術の有効性を検証するため、前向き多施設共同ランダム化比較試験を行った。試験は2023年5~10月、患者956人を対象に、TXI観察法と通常光観察法をランダムに割り付け、大腸内視鏡検査を実施した。なお、試験はオリンパスとの共同研究として行われた。

試験結果をみると、主目的の1検査あたり腫瘍性病変発見数では有意差は認められなかったが、ポリープや、その一種で見つけにくいとされる平坦型病変ではTXI観察法での発見率が有意に高かった。腫瘍性病変の発見数で有意差が認められなかった理由として、豊嶋氏は「いずれの観察法も最新の内視鏡を使ったため、従来の通常光観察法での発見率も向上したと考えられる」と分析した。また、日本消化器内視鏡学会の専門医資格を持たない医師でもTXI観察法によって病変発見率の向上が示唆される結果も得られた。

◎国がん・豊嶋医師 内視鏡検査による発見で「大腸がんの死亡率減少に期待」

日本における大腸がん検診や内視鏡による精密検査の受診率は低い傾向にある一方、大腸がんは早期であれば内視鏡による発見と切除で根治が望めるという。豊嶋氏は「画像技術や人工知能の応用により、多くの腫瘍性病変が内視鏡検査で発見されることで大腸がんの死亡率が減少することが期待される」と訴えた。
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