ベルシステム24 ”伴走型“ 情報提供活動支援サービス「Co-MR」 音声解析AI活用で医師面談を可視化
公開日時 2025/10/07 04:52

ベルシステム24は伊藤忠商事と連携して、製薬企業向けにMRの情報提供活動を支援する「Co-MR」のサービス提供を始めた。同社が有するMR認定資格者やコンタクトセンターのノウハウなどを活かし、顧客である製薬企業の情報提供活動を“伴走型”で支援するサービスだ。医師のアポ取得やWeb面談を通じた新薬の新規採用や処方変容促進などの活動に加えて、音声解析AIツールを活用した医師面談の可視化による成功/失敗事例の共有など、顧客への伴走型支援を通じて目標達成(KPI)や課題解決につなげる。両社は、「医療現場の声を可視化し、製薬企業とともに考え、ともに創り上げていく共創型のMRを目指す」と強調。今後3年で20社の受託を目指す方針を明らかにした。
◎業務をコンタクトセンターに集約 体制や対応範囲はニーズに合わせてカスタマイズ

新サービス「Co-MR」では、製薬企業からの業務委託を受け、MRが行う情報提供活動などの業務の一部をベルシステム24のコンタクトセンターに集約し、電話やメール、Teams/Zoomなどのコミュニケーションツールを使って支援を行う。同社在籍の約50人のMR有資格者を含めた人材から受託業務ごとにチームを編成。医師からの問い合わせ対応やアポの取得、リモート面談の実施といったサービスを提供し、顧客が設定するアポ取得率、Web面談数、新規採用数など顧客側の求めるKPIに応じたベストな体制を提案することができる。また、カバー範囲も全国だけでなく、MRの稼働距離が広いエリアの支援など、顧客ニーズに合わせてカスタマイズが可能だという。
◎伊藤忠グループが戦略段階から伴走 一気通貫で支援する「次世代型の営業モデル」
加えて、伊藤忠商事やグループ企業と連携することで、顧客企業の営業・マーケティングの戦略立案段階から伴走型支援を行うことも視野に入れており、戦術設計や運用、検証まで一気通貫でサポートしていく点も特徴だ。ベルシステム24CX第2事業本部第7事業部の丹沢将鉄氏は、「MRの代替としてだけではなく、製薬企業の戦略段階からともに設計・実行を担う。これまでの派遣型MRとは異なる次世代型の営業モデルになる」と強調した。
◎コンタクトセンター運営ノウハウに強み 音声解析AIで情報提供の品質向上にも注力
Co-MRの強みとして、ベルシステム24が培ってきたコンタクトセンターの運営ノウハウがある。同社では全国規模で多業種のセンターを手掛け、業界ごとに最適なコミュニケーション設計を行ってきた。こうした実績を製薬企業向けに応用し、立ち上げから運用、効果検証までをスムーズに構築していく。さらに、MRなど専門人材が担うべきコア業務とそれ以外のノンコア業務をすみ分けることでコスト面も含めた効率的な体制構築も実現できるという。
◎「MiiTel Meetings」を使った医師面談の可視化 対話のテンポ、流れ、感情を定量化
今回のサービスの特徴として挙げられるのが、音声解析AIを搭載したツール「MiiTel Meetings」を使った医師との面談の可視化だ。医師側の了承を得た上で、面談時の会話データからテンポや流れ、感情を分析し、定量化することで、情報提供活動の品質向上やチームスキルの底上げにつなげる。ベルシステム24BPO事業開発本部事業開発部の北千春氏は「音声データを蓄積し、成功/失敗体験を把握・共有することができる。企業側のMRとも連携することでリアルとリモートの情報提供活動の価値最大化を図っていく」と述べた。