持田製薬と伊藤忠商事 アンドファーマに経営参画 第三者割当増資と株式取得で持分法適用関連会社化
公開日時 2025/09/24 04:52
持田製薬と伊藤忠商事は9月22日、日医工、共和薬品、T'sファーマの3社を傘下とする持株会社・アンドファーマ(岩本紳吾社長)が実施する第三者割当増資の引受けと株式取得で持分法適用会社化すると発表した。両者は株式取得に際し、ジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が運営・管理する合同会社ジェイ・イー・エイチ(JEH)が保有するアンドファーマの一部株式を譲り受け、それぞれ株式20.00%(出資金額:162億円)を取得し、経営に参画する。持田製薬は、「先発・後発企業の連携を通じ、後発薬の供給不安解消や、国産バイオシミラーの供給体制などで協働体制を確立したい」と強調した。
アンドファーマは、JWPとメディパルHDが出資する日医工、共和薬品、T'sファーマを子会社に持ち、2025年1月に設立された純粋持株会社。オーソライズドジェネリック(AG)を含む後発薬、バイオシミラー、長期収載品など幅広い品揃えがあり、国内での医薬品安定供給の一端を担っている。
◎持田製薬 バイオシミラーの開発・事業化とアンドファーマの製造能力のシナジーに期待
持田製薬はアンドファーマとの事業シナジーについて、「グループが有するバイオシミラーの開発・事業化ノウハウと、アンドファーマの子会社が有するバイオシミラーの製造能力とのシナジーを創出し、既存品目の製造連携も見据え、コア事業である医薬事業の収益力強化を図る」と強調する。先発メーカーである持田製薬は、バイオマテリアル事業や核酸医薬、細胞医薬など成長事業への継続投資を行っており、「中長期的には、後発薬・バイオシミラー事業の安定収益基盤を活かし、成長戦略を加速していく好循環を形成していきたい」と期待感を示した。
このほか想定される協業効果として、製造・品質管理体制の最適化を通じた効率的な製造・供給体制の確立と、先発・後発企業の連携による後発薬の供給不安解消に向けた協働体制を構築をあげた。
◎伊藤忠商事 同社の幅広いサプライチェーンの知見・ノウハウ活用
一方、伊藤忠商事は、同社のグループやグローバルネットワークを活用し、医薬品の原料等の調達・供給、物流・流通機能の提供、研究開発支援等などを展開する。同社は、幅広いサプライチェーンの知見・ノウハウと、持田製薬の有する独自の研究開発力や数々の技術的ノウハウを活用して、「アンドファーマの製造・品質管理・供給基盤を強化し、後発医薬品のサプライチェーン強靭化による生産効率および安定供給体制の向上に取り組みたい」と強調した。
持田製薬と伊藤忠商事は、アンドファーマの第三者割当増資の引受けに加えて、JEHが保有するアンドファーマの株式の一部を譲り受け、それぞれ株式20.00%(出資金額:162億円)を取得する。持田製薬と伊藤忠商事の両社はアンドファーマの経営参画を通じ、「更なる企業価値向上に努めたい」と強調した。