帝人リジェネット、東邦HD、伊藤忠商事 「再生医療エコシステム」の構築で業務提携契約
公開日時 2025/07/11 04:50
帝人は7月10日、同社グループで再生医療CDMO事業を展開する帝人リジェネット、東邦ホールディングス(HD)、伊藤忠商事の3社が、再生医療等製品の開発に取り組むバイオベンチャーを支援するための「再生医療エコシステム」に関する業務提携契約を締結したと発表した。3社が連携してワンストップでの開発支援サービスを提供することで、バイオベンチャーが効率的かつ早期に製品を上市できる環境の構築を目指す。
現在、再生医療等製品の開発に取り組むバイオベンチャーは、研究開発、製造、流通、販売などの製品上市に至るまでの各段階で、細胞培養などに必要な施設や設備、物流、資材調達を個別に手配している。このため不要な手間やコストがかかり、資金が限られるバイオベンチャーにとっては資本効率性の観点から大きな課題となり、製品の上市までに開発を断念する要因の一つとなっている。
このような課題に対して3社は、それぞれが強みを有するサービスを持ち寄り、再生医療等製品の開発から上市までに必要なサービスをワンストップで提供可能な「再生医療エコシステム」を構想した。このほど実現に向けた役割やステップについて合意したことから、業務提携契約の締結に至った。
「再生医療エコシステム」では、帝人リジェネットは研究段階での細胞培養や研究支援に加え、開発段階での製法開発支援と治験薬の製造、製造販売段階での最終製品の製造を担う。東邦HDは各段階での物流を担うとともに、研究段階でのプロジェクトの評価を担う。伊藤忠商事は研究および開発段階における資材調達や、必要に応じた資材の開発を研究段階で担う。
最初の取り組みとしては、25年夏にバイオベンチャーなどの再生医療等製品を開発する企業を対象とする説明会を開催し、課題の共有とニーズの調査を行う。