FDA 抗てんかん薬トピラマートの妊娠中服用で警告
公開日時 2011/03/10 04:00
米食品医薬品局(FDA)は3月4日、抗てんかん薬トピラマートを妊娠中に服用した場合、新生児に口蓋裂や口唇裂の先天性異常が生じる可能性が増大することがNorth American Antiepileptic Pregnancy Registry (NAAPR:北米抗てんかん薬妊娠登録)のデータで新たに示唆されたことを受け、ラベルにおける妊娠時の服用についての警告を強化すると発表した。
NAAPRのデータによると、口蓋裂などは妊娠第1期(最初の3か月)に胎児がトピラマートに暴露すると発症リスクが増加する。同剤単剤の暴露では、口蓋裂などの発症頻度が、他剤への暴露では0.38%から0.55%だったのに比べ、1.4%となった。てんかん患者でなく、抗てんかん薬を服用していない母親の新生児では発生頻度は0.07%。同様データは英国にも存在、NAARPデータを裏付けている。
このため、FDAでは、ラベルの妊娠中の薬剤服用に関する注意におけるリスク分類で同剤について、ヒトのデータにおいて胎児へのリスクを生じるエビデンスがあると記述することで警告を強化する。しかし、症状によっては、薬剤のベネフィットがリスクを上回るとしている。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRussell Katz神経学製品部長は、「医療関係者は妊娠可能年齢の女性にトピラマートを処方する際にはリスクとベネフィットを慎重に考慮してほしい」と呼びかけ、先天性異常を回避するためには代替薬剤を検討することを推奨している。