中国では医薬品を医療機関に販売する場合、入札を通過しなければなりません。前号で医薬品の価格には大きく政府定価（政府算定価格、政府指導価格）と市場調整価格があることを紹介しました。これは製薬企業が自由に薬の価格を決めることができるシステムですが、価格競争になる傾向が生じますし、その結果、市場に多くの模造薬が溢れ医療現場に混乱が生じる問題があります。医薬品の価格差が医療機関での医療サービスの不適切な価格差の原因にもなりかねません。そこで政府は、入札制度の導入により、地区内で取り扱う医薬品を限定し、価格も統一するように指導しています。ただ省や都市が自治権を有する中国では、それぞれが独自に入札の日程などを決めるため、製薬企業は、地区ごとに個々の入札スケジュールを調査する必要があります。対象は製薬企業...