臨床上の個別の疑問に文献は答えられるか?
公開日時 2009/07/31 00:00
独立行政法人国立病院機構東京医療センター臨床研究センター臨床疫学研究室長尾藤誠司このシリーズで、私はまだ文献の中身のお話について取り上げていませんが、今回まで文献の中身に入る前の段階の話となります。文献を読み解き、医療情報として臨床医に情報として提供する際には、この段階についての理解が非常に大切であるというのがその理由です。今回は、EBMの5つのステップにおいて最も重要といわれている、「臨床上の疑問の明確化」について解説します。エビデンスとEBM(エビデンスに基づいた医療)との違いよく、「OOO疾患のEBM」というような総説や本が出ていますが、その多くは誤った使われ方がされています。多くの場合、この内容は「OOO疾患のEBM」についてではなく、「OOO疾患のエビデンス」について書かれています...