うつによる体の痛み 生活への影響大きく 製薬2社が治療呼びかけ
公開日時 2009/11/18 04:02
うつ病の症状として頭痛や胃痛など身体の「痛み」があり、生活への影響が大きいことから、塩野義製薬と日本イーライリリーによるプロジェクトチーム「『うつの痛み』情報センター」が結成され、11月18日からウェブサイトを開設し、広く知ってもらう活動を始める。治療につなげるのが狙い。
同センターは活動開始に伴い、うつ病治療薬を服用している患者(有効回答297人)と内科医、精神科医(同309人)を対象に、うつ病による体の痛みに関する実態調査を行った。その結果、患者の6割が頭痛や背中の痛み、胃痛など何らかの「痛み」の症状を抱えている一方、「患者の多くに痛みがある」ことを知っている医師は3割だった。患者も「痛み」を症状と知っている人は2割にとどまり、症状を医師に伝えていないために、治療に結びつかない実態が浮き彫りになった。
患者の半数が、「痛み」が原因で年間31日以上仕事を休んだと回答し、平均日数は106.7日に上った。仕事・家事の能率は半分以下に落ちると感じていた。
ウェブサイト「話してみよう。うつの痛み~より良い治療のために」(監修:高知大学医学部神経精神科教室の下寺信次准教授)のURLは、 http://www.utsu.ne.jp/itami/