事の大きさ─その理解と伝え方─
公開日時 2010/01/28 00:00
前回、前々回と、臨床研究の結果を理解する際に、比較されるものとの差をテーマに書かせていただきました。差があるということは、推論の考え方としては、どちらかの方法はもう一方の方法よりも有効である、という結論を導き出していると考えてよいでしょう。一方、Aという方法よりもBという方法があるひとつのアウトカムに対してより有効な方法である、という論証が出来ただけで、「ではAはやめてBにしましょう」と人は単純に意思を変えるでしょうか?医師は基本的に新しい物好きなので、あまり思慮なくさらっと変えてしまうひとも少なくないかもしれませんが、通常はそのほかにもいくつかの条件をクリアしないといけないでしょう。たとえば、いくらBのほうが優れているといっても、Bの値段がAの10倍するとしたらどうでしょうか?ちょっと躊躇...