ロシュは投資家向けR&D Dayを3月18日に開催したが、一部の投資家から懸念されている買収後のジェネンテック社を取り巻く環境については、良好さを盛んに強調することに終始した。
ジェネンテック社の前CEOで現在ロシュ製薬事業部門最高執行責任者のPascal Soriot氏は、「買収後もジェネンテックの研究部門は独立した組織として運営されている。ロシュの完全傘下になったことで何も失われていない」と説明。ただ、買収後にジェネンテック社の臨床血液・腫瘍部門バイスプレジデントのDavid Schenkein氏が退社し、Agios Pharmaceuticals社のCEOに就任したことが唯一の損失と指摘した。
また、ジェネンテックの研究・早期開発部門責任者のRichard Scheller氏は「ジェネンテックは健在で、とりわけ研究・早期開発部門は良好な繁栄を享受している」と強調した。
一方、ロシュのエクゼクティブ・バイスプレジデントでジェネンテック社のグローバル開発責任者でもあるHal Barron氏は、買収後に目立った変化はないとしながらも、「現在私は激務であり、その一因はグローバル組織の複雑さにある」と吐露している。
(The Pink Sheet 3月22日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから