スイスのサンドは８月４日、フランス・トゥールーズにあるJust-Evotec Biologics（以下、JEB）社の社内開発・製造機能の取得に向け、JEB親会社のEvotec SE社と拘束力のない基本合意書を締結したと日本法人を通じて発表した。基本合意により、JEBの発行済および社外にある株式の100％を約３億米ドルで取得する可能性が出てきた。サンドは、今回のJEB買収案について、「今後10年間で3000億米ドル規模に達すると予測されるバイオシミラーの市場機会を捉えるというサンドの戦略目標と一致するもの」だとし、バイオシミラー（BS）事業強化の一環だとしている。

サンドとEvotec SEは今後、契約の詳細を交渉し、関連する労働協議会との協議プロセスとフランスにおいて規定の従業員代表手続きを実施する。

サンドとJEBは2023年に戦略的パートナーシップを結んだ。これにより、JEBの高効率な原薬開発プラットフォームへのアクセスを通じて、サンドのポートフォリオ拡大および初期段階のBS開発が支援されている。サンドは、JEB独自の完全自動ハイスループット技術プラットフォームを活用することで、自社の統合型原薬開発・製造ネットワークの構築を継続的に推進している。

24年７月には、サンドはフランス・トゥールーズにあるJEBのBS製造拠点における長期コマーシャル供給アクセスを確保するとともに、25年から今後開発していく原薬開発に必要なリソースキャパシティも確保した。今回の買収案は、これまでに発表したサンドのBS製造・開発拠点への投資を補完するもので、欧州におけるサンドの事業に関連する設備投資コミットメントに沿うものだとしている。