米GE企業 ユーザーフィーの金額、設定基準で意見割れる
公開日時 2010/10/07 04:00
米国のジェネリック医薬品(GE)のユーザーフィー導入をめぐり、関係者の間でも意見が割れている。ユーザーフィーの導入については一致しているものの、金額や設定基準についてはさまざまな意見が出されている。9月17日に開催されたGEについての公聴会で明らかになった。
米ジェネリック医薬品協会(GPhA)は、ANDA(新薬簡略申請)の審査は容易であると指摘。申請のための人員的・時間的投資が多く必要とされないため、ユーザーフィーの格差を設けず、均等な金額とすることを求めている。
ただ、GE業界でも意見は一枚岩ではない。GE企業のスペア・ファーマシューティカルズのK・L・Spear社長は、最初に承認されるGEに対しては臨床試験を求められる場合もあると指摘。その審査にかかわる医師・薬剤師をFDAが雇用することには賛成する立場だ。そのためのコストとして、2倍のフィーを支払うこともいとわないとの考えを示す。製品間の格差を容認した姿勢と言える。
消費者団体「女性と家族のための全米研究センター」のPaul Brown氏は、(FDAの)作業負荷の重さにより格差をつけることを提案している。それと同時に、最初に承認されるGEはその後のGEと比べ、審査が高度、かつ6カ月間の独占権が付与されることから、高額のフィーを支払うべきとしている。
FDAのJanet Woodcock長官は、ユーザーフィーの導入により、FDAのGEに対する研究能力の向上、複雑なGE評価のための新規評価技術の開発などが可能となるとの考えを示し、同制度導入の必要性を訴える。また、バイオ後続品についてのユーザーフィー制度の設置にも取り組む意向を明らかにしている。
(The Pink Sheet 9月27日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから