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【ESMOリポート】エルロチニブ EGFR変異の非小細胞肺がんで有意な無増悪生存期間示す

公開日時 2010/10/13 06:01

エルロチニブが、EGFR活性型変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)における一次治療として、ゲムシタビンとカルボプラチンの併用より無増悪生存期間を大幅に延長することが明らかになった。中国人被験者165人を対象に実施した第III相無作為化試験OPTIMALの結果からわかった。中国Tongji大のCaicun Zhou氏が9日のプロファード・ペイパー・セッションで報告した。


◎OPTIMAL試験の結果より


EGFRチロシンキナーゼ阻害剤のエルロチニブは、再発または難治性進行NSCLCに有意な生存ベネフィットがあることが示されている。EGFR活性型変異のある腫瘍は特にEGFRチロシンキナーゼ阻害剤への感度が高いため、同変異が確認された腫瘍を持つ患者の一次治療として、エルロチニブが有望な可能性がある。


OPTIMAL試験では、化学療法の前治療歴がなく、EGFR活性型変異陽性でステージIIIB/IVのNSCLC患者165人を対象に、1対1の割合で、エルロチニブ群(150mg/day)かゲムシタビンとカルボプラチンの併用群に無作為に割り付け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)を検討した。副次評価項目は、全生存(OS)、客観的奏効率(ORR)、増悪までの期間、奏効期間、安全性を設定し、変異タイプと組織構造、喫煙の有無といった層別因子によっても分析した。ベースラインの患者特性は両群で均等であり、年齢中間値は、エルロチニブ群が57歳、併用群59歳、喫煙率それぞれ28%と31%、腺癌の割合88%と86%など。全員、ECOG PSが0-2であった。


その結果、主要評価項目のPFSは併用群が4.6ヶ月だったのに対し、エルロチニブ群は13.1ヶ月に上り、ハザード比0.16(0.10-0.26、p<0.0001)と、エルロチニブ群で有意に長いことが明らかになった。またステージや性別、年齢、喫煙の有無、組織構造などの因子に関わらず、一貫した治療ベネフィットを示した。


腫瘍の反応ではORRが併用群が36%に対しエルロチニブ群では83%(p<0.0001)、病勢コントロール率(完全奏効+部分奏効+疾患安定)は、それぞれ82%と96%(p=0.002)と、エルロチニブ群が有意に高かった。治療に関連した有害事象の発生率は、併用群94%に対しエルロチニブ群87%であったが、グレード3/4の有害事象は65%に対し17%となり、エルロチニブ群では毒性が大幅に抑制されることもわかった。同群で最も顕著な有害事象は発疹だったが、その殆どがグレード1/2であった。


同試験は、EGFR活性型変異陽性のNSCLC患者の一次治療として、エルロチニブとプラチナ系化学療法とを直接比較した初のプロスペクティブ試験。Zhou氏は、エルロチニブが化学療法と比べて優れたPFSを示す一方で重度の毒性が少ないと強調し、これらの患者にとって有望であると結論した。

 

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