今年2月にベルギーのソルベイ製薬を約62億ドルで買収したアボットは、今後２年間で全世界で約3000人の従業員削減に踏み切る方針を固めた。

アボットはソルベイ製薬買収で従業員数が1万人以上増加し、現在全世界で約９万3000人の従業員を擁している。今回の人員削減は全従業員の3％強に当たり、対象はこの旧ソルベイの従業員が中心になる見通し。2011年末までにはアメリカのジョージア州マリエッタにある旧ソルベイ製薬アメリカ本部を閉鎖するほか、オランダのウエープスにある旧ソルベイ製薬の研究サイトで約500人、ドイツのハノーバーの旧ソルベイ製薬の拠点では少なくとも300人の人員削減が計画されているという。

　こうした人員削減などを中心に研究開発計画の見直しなども含めた再編で、今後2年間で8億1000万ドルから9億7000万ドルの税引き前費用の削減を見込む。