厚労省 薬事承認申請につながる難病研究事業を検討 来年度実施に向け
公開日時 2010/11/18 04:00
厚生労働省健康局疾病対策課の中田勝己課長補佐は11月17日、都内で講演し、難病の治療法などの研究難治性疾患克服事業の中で、「薬事承認申請が可能となることを目標とする新たな研究事業を平成23年度からスタートしたい」との方針を明らかにした。
同氏によると、症例数が少なく企業による治験は難しいことから、医師主導治験を前提に進める。そこで薬事承認申請につなげられるプロトコルを初年度に作成し、2年目以降は臨床データを収集していくというもの。
この研究事業の採択では▽難治性疾患克服事業の中の臨床調査研究班の支援を得るなど臨床データを十分に収集できる体制らあること▽薬事法の申請が可能なデータ収集・解析が可能であること▽将来の薬事承認申請者の目途があること――を重視したいとした。
しかし、製薬会社が難病研究班でどんな研究者が、どんな疾患を対象に行われているかを、よく知らないとして、同省としても周知活動を強化。すでにネットワークがある研究班と患者と、製薬企業を結びつけるよう支援したいとの姿勢を示した。
中田補佐は、ヒューマンサイエンス振興財団のセミナー「難病への挑戦―治療薬の期待―」で話した。フロアで傍聴していた患者から、患者会として製薬会社と連携したいと考えているが、「私たちに近づいてきてくれない」との声があった。製薬会社関係者からは、患者とのマッチングをする窓口がほしいとの要望が出た。